無表情で笑わない主人公を、近寄りがたい存在としてみんな遠ざけてしまいます。
本当の私を見ようとしてくれる人なんていない。
そんなときに、”貴方”が現れ、私の本当の姿を見つけてくれたのです。
ポーカーフェイスを装っていても、本当は自分の中に弱い部分があることを主人公は知っていました。
所詮、強がりなことはわかっていたのです。
心の中の、誰にも触れさせたことのないやわらかい部分。
そこに、初めて優しく触れてくれたのが、”貴方”という存在だったのです。
サビの歌詞
心晴れる日も雨降りすさぶ日も 誰にも悟られぬように歩いてこう
素直な心が愛しい人の前で 特別輝くように
出典: ポーカーフェイス/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
私たちの心は、幸せで明るい日もあれば、悲しくて暗い日もありますよね。
そんな心模様を天気になぞらえて歌っています。
それにより、1日1日の心を表現しているように感じられるのです。
ただその一瞬だけを表すのではなく、1歩ずつ進んでいく毎日を歌った歌詞として読み取れます。
愛しい人の存在があり、その人と歩んでいく人生。
そんな温かい光景が思い浮かぶような歌詞です。
”素直な心”。それは、主人公が他の人には見せない笑顔ではないでしょうか。
”愛しい人の前で”さえ輝いてくれればいい。
つまり、他の人には伝わらなくても、ただ”貴方”だけが、私の笑顔を知ってくれればいい。
そんな、一途で可愛い想いがつづられています。
2番の歌詞
ポーカーフェイスはいつからか身に付けた生きる術
笑わない私でわざと 全てはねつけてきた
でもね貴方は そんな私がいいと言うの
変なプライドも体裁も今は無力よ
出典: ポーカーフェイス/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
主人公は、ポーカーフェイスで自分の感情を隠すことで、自分を守る毎日を送ってきました。
自分の弱い部分に触れさせないために、わざと周りを近づけないようにしてきたのです。
しかし”貴方”は、主人公のいろんな部分を知った上で、主人公を選んでくれます。
本当は持っている弱い部分。
それを隠そうとしている姿も知っています。
隠そうとする弱ささえもすべてを包み込んで、”私”という存在の魅力を見つけてくれるのです。
主人公が普段周りに見せているのは、心を隠した上辺の姿。
しかし”貴方”は私の本当の心や姿に気づいてくれました。
つまり、本当の姿を知った上で”私がいい”と言ってくれたのです。
それは主人公にとって”貴方”は、本当の自分を愛してくれる大切な存在なのではないでしょうか。
2番のサビの歌詞
貴方が居るだけで笑顔あふれる そこに理由などきっといらないね
眉ひそめてばかりの私を ずっと 笑わせてね
出典: ポーカーフェイス/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
”貴方”だけが”私”の笑顔を引き出してくれる。
そんな”貴方”は、主人公にとってとても大切で、愛しくて、温かい存在です。
優しいから好き、かっこいいから好き、そんな言葉で表せる理由なんてありません。
こうだから好き、そんな理由はなくても、”貴方”は主人公にとって特別で大好きな人なのです。
”ずっと笑わせてね”という言葉からも、主人公にとって”貴方”はずっと一緒にいたい存在であることがわかります。
誰かとずっと一緒にいれば、自分の弱い部分やだめな部分などいろんな姿を見られることもあるかもしれません。
それは、主人公がポーカーフェイスでずっと隠して、守り続けてきた部分です。
でも、”貴方”であればそういったところも見せられる。
主人公が1人の大切な人に対して心を開いたことが読み取れるのです。
可愛い本音
ただね貴方の前では可愛くありたい
どうかいつまでもこの笑顔1人占めしててね
出典: ポーカーフェイス/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
ここでは、主人公が初めてぽつりとこぼした本音が綴られています。
身についてしまった”悪い癖”は、治すことはなかなか難しいものです。
もしかしたら主人公は、治したいと思ってはいないかもしれません。
それは、上でも述べたように、”貴方”さえわかってくれればいいからです。
”貴方の前では”という歌詞からも、やはり他の人には見せられなくてもいいという気持ちが予想できます。
”貴方”にだけ見せる笑顔があって、”貴方”にだけ見せる可愛い姿があるのです。
それは全部、ただ1人だけのためのもので、他の人には見てもらえなくたっていい。
大切な人だけに見せたい姿が、主人公にはあるのです。
そんなことからも、主人公にとって”貴方”がどれだけ特別な存在であるかがわかります。
本当の愛
貴方の前で輝くように
出典: ポーカーフェイス/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
『ポーカーフェイス』の最後は、この歌詞で締めくくられています。
”素直な心”が”貴方の前で”輝いてほしい。
素直な心というのは、主人公がポーカーフェイスでずっと隠し続けてきたものです。
そのポーカーフェイスを唯一崩せるのは、特別で愛しい”貴方”という存在だけ。
”貴方”にだけは私の本当の心や表情を見せたい。
主人公はいつしか、そう願うようになっているのではないでしょうか。
”輝くように”という願いを込めた歌詞から、私はそんな感情を読み取りました。
誰にも見せたくなかった部分も、この人にだけはわかってほしい。
本当の姿を見せてもきっと変わらずに愛してくれる。
そんな信頼感や安心感こそが、”貴方”と”私”の間にある本当の愛を感じさせてくれるのです。