アルバム「重力と呼吸」のラストを飾る楽曲
Mr.Childrenがリリースした19枚目のアルバム「重力と呼吸」。
今回はそのアルバムの一番最後に収録されている楽曲「皮膚呼吸」について紹介していきます!
「皮膚呼吸」と聞くと科学的で難しい印象を受けますが、この楽曲のテーマは"夢を追うこと"。
アルバムのラストを飾るのに相応しい壮大なテーマですね!
夢を追っていたことがある人は特に共感できる曲になっています。
ドコモのCMでも使用された曲
実はこの楽曲、アルバムがリリースされる前にテレビCMで流れたことがあるのです。
この楽曲を起用したのはドコモのCM。
「docomo 25thanniversary キャンペーンCM」の中で流れ、当時は“未発表曲”として起用されました。
しかも、このCMが流れたのはたったの一回!
ドコモの25周年を記念した長編のCMで、CM内ではミスチルの楽曲がたくさん使用されています。
CMタイトルは「25年後の夏」。
主人公の父と母が出会った25年前の夏から、主人公が生まれて大きくなる現在までの物語を描いてます。
「君がいた夏」や「365日」など数々のミスチルの名曲が物語に合わせ流れていくこのCM。
そしてそのCMのラストを飾っているのが「皮膚呼吸」なのです。
「皮膚呼吸」がCMで登場するのはほんの数秒ですが、とても印象的で当時話題になりました。
曲名の「皮膚呼吸」ってどういう意味?
そもそも曲名になっている「皮膚呼吸」とはどういう意味なのでしょうか。
「皮膚呼吸」で検索をしてみると以下のような解説が出てきます。
皮膚呼吸(cutaneous respiration)とは生物学において、「体表を用いて行われる外呼吸」とされている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/皮膚呼吸
皮膚呼吸をしている生き物といえば、ミミズやヒルなどが挙げられます。
人間の場合、皮膚呼吸はほとんどしていません。
一時期「人間は皮膚呼吸できなくなると死ぬ」という噂が出回りましたが、これは完全なデマです。
しかし、この歌詞を作った桜井和寿さんはその噂が深く印象に残っていたんだとか。
そしてそこからインスピレーションを得て、この楽曲が出来たと話しています。
都市伝説的な噂を作詞のヒントにして、そこから名曲を生み出すとは素晴らしいですね!
歌詞の意味を徹底解説!
それでは歌詞の内容について、詳しく見ていきましょう。
皆さんは"自分の夢"に向かって走ったことはありますか?
もしかしたら、現在進行形で"自分の夢"を追いかけている人もいるかもしれませんね。
しかし、人によっては夢を追いかけることに迷いを抱く場合もあります。
夢ばかり見ていられるような年齢でもない。
それでも夢を追い続けたい。
この楽曲ではそんな心の葛藤を描いています。
夢を追う全ての人を励ましてくれる歌詞を紐解いてみましょう!
自問自答する主人公
と、ある日
顳需頁(こめかみ)の奥から声がして
「それで満足ですか?」って
尋ねてきた
出典: 皮膚呼吸/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
「顳需頁(こめかみ)の奥」ということは、自分の頭の中から声が響いてきたということですね。
つまり、誰かから言われたのではなく、自分自身で問いかけているということになります。
夢を追いかけていたい気持ちと、夢を追うことを諦めようとしている気持ち。
この歌詞の主人公の中には、そんな正反対の気持ちがあるのでしょう。
そしてきっとこの主人公は夢に対して諦めモードだったのではないかと推測できます。
夢を叶えられていなくて現状に満足していないからこそ、こんな声がしたのでしょう。
大人だからこその葛藤
冗談だろう!?
もう試さないでよ
自分探しに夢中でいられるような
子供じゃない
出典: 皮膚呼吸/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
この主人公はもう立派な大人です。
どんな夢でも自由に描けるような若い学生ではありません。
自分探しをする年頃ではないといっているので、もしかしたら仕事や家庭を持っている人かも!?
そんな捉え方もできますね。
だから、今から人生の方向転換をするにはリスクがあり過ぎると思っているのでしょう。
年齢を重ねれば重ねるほど、人生計画に対して慎重になるものです。
だから夢を追いたくても、躊躇したくなる気持ちがすぐに出てくるのでしょう。
大人だからこその葛藤ですね。