デビュー10周年の楽曲
「Unlock」は三浦大知がソロデビュー10周年を迎えた2015年に17枚目のシングルとして発表されました。
フジテレビのドラマ「ゴーストライター」のオープニングテーマとしても起用され、ドラマとリンクした楽曲になっています。
どのようにリンクしているのでしょうか?歌詞を紐解いていきましょう!
「Unlock」の意味とは?
ロックは日常でよく使用しますが、アンロック(Unlock)はあまりなじみがないと思います。
なんとなく想像はつくかと思いますが、ロックの逆です。
ロックを開ける、鍵を開ける。という意味になります。
アンロックしよう、鍵を開けよう。なんだかポジティブな言葉に聞こえますね。
しかし、楽曲のメロディはシリアスに始まります。
緊張感あるテンポと、三浦大知の美声がますます雰囲気を作り上げ、思わず聞き入ってしまいます。
どのようなテーマの楽曲なのでしょうか?
「Unlock」の歌詞を追っていきましょう
昨日と同じ 退屈してた
いつのまにか 安心してる
投げたコイン裏表 決められずまた小声
縛るのも解くのも それは同じもの
すり切れた正しさ
出典: Unlock/作詞:Nao'ymt 作曲:Nao'ymt
今はまだ、動き出せずに閉じこもっている状況のようです。
それは、行動というよりも心の状況かと思われます。
自分自身を見失い、心を閉じ込めているようです。
心を閉ざす時って、傷つかないようにする対処法だと思います。
傷つく事から逃れるために心を閉ざしているのです。
蔦のようなものが複雑に絡まって物理的にも動けない様子を表現しています。
相当辛い思いをして無意識に動けなくなったのではないでしょうか。
自分を救うのは自分
いつから You lost who you are
閉じ込めたのは何を守るため
心に絡む蔦
鍵ならすでにきみの手の中に
Just un-un-un-unlock yourself
出典: Unlock/作詞:Nao'ymt 作曲:Nao'ymt
こんな時、誰かが助けてくれたらいいのに…と思いますよね。
また、見かねた誰かが手を差し伸べてくれるというストーリーも小説やドラマならあるかもしれません。
しかし、そのような歌詞ではないのです。
すでに、閉ざした心を開ける鍵は自分の手の中にあると指摘するのです。
自ら鍵を開けよと。
まるで急かすかのように、今だ!と煽ってきます。
これは誰かから指示されているのではなく、まさに自分の心の声なのではないでしょうか。
このままではいけない。もう十分に傷を癒しただろう。
鍵を開けるなら今だ、さあ、行こう、行こう。
そう、これは自分自身との闘いなのです。
弱い自分に打ち勝って、新たな世界に飛び込む直前。
一生懸命自分に言い聞かせている状態です。
過去の古傷
一体何が足枷になって、飛び出せないのでしょうか。
過去に何があったのかとても気になります。
消せない過去が 未来に映る
踏み出す足に 泥が跳ねる
ひび割れた唇で 口ずさむ同じ夢
義務と言う明日には きみが望むもの
見つかりはしないから
出典: Unlock/作詞:Nao'ymt 作曲:Nao'ymt
この表現、具体的に何があったとは言っていませんが妙なリアルさを感じます。
このような感覚を味わった事、誰もがあるのではないでしょうか。
何か行動を起こそうとした時、過去の嫌な経験を思い出して足が竦むような気持ちになる事。
学校や職場、恋愛や友人関係、あらゆる場合に当てはめる事ができます。
毎日が義務なのはとても辛い状況ですね。
自分を抑え込んで心を無視して、人に言われるがままやらないといけない義務をこなす日々。
このままでは本当に望むものは手に入らない事に感づきはじめています。
詩的なメタファー
閉じ込められている今の現状に疑問を感じ始めてはいるようです。
そんな心の変化も歌詞で表現しています。
その例えがどれも秀逸でとても素敵なのです。
具体的な内容ではありませんが、その例えだけで情景が浮かんできます。
なんとも詩的な言葉の使い方に注目してみてください。
ひび割れた唇で 口ずさむ同じ夢
出典: Unlock/作詞:Nao'ymt 作曲:Nao'ymt