NOBUってどんな人?
昔から彼を追いかけていた人は知っているだろうか、「N.O.B.U!!!」として活動していたことを。
「いま、太陽に向かって咲く花」のアルバムジャケットに写る彼をみるたびに、良い意味で彼自身の変化を強く感じる。
N.O.B.U!!!として活動していた時の彼の風貌は、やんちゃなスケーターとでも言えるだろうか。
スケボーが大好きというNOBUは、宮崎出身ということからもしかしたらサーフィンも日課だったのかもしれない。
当時の彼の音楽には、海の香りとミナミ特有の解放感がどことなく漂う。
トレードマークともいえるサングラスをいつもかけ、大きな口を開けてカメラに写る彼の姿からは、若いエネルギーと手ぶらでもとにかく前へと突き進んでみようという好奇心がギラついている。
彼の活動コンセプトは、「自由な音楽を通じて希望を人々に届けたい」。
その言葉通り、純粋に音楽を愛する気持ちとメッセージ性の強い楽曲に、幅広い層から支持を得ている。
ドラマーからシンガーソングライターへ
そんな彼は、宮崎県小林市出身。3人兄弟の末っ子として生まれた。
なにかと影響力のあった一番上の兄を追いかけるように、ファッションも音楽も彼をとりこにさせた。
インディーズに憧れる自分から、メジャーを目指す本気へと心が動いていく中、バンドは解散。
後ろ姿を追い続けた兄は音楽を諦め就職の道を選んだようだ。
NOBUは音楽を諦めずシンガーソングライターの道を進むが、その頃から兄との関係に少しずつひずみが出来始める。
前も後ろもわからない、それでもただ純粋に歌を歌いたい。
そんな彼は、「宮崎といえばNOBU」といわれたいと積極的に活動を続け、デビューの切符を狙い続けた。
デビューからの道のり
2012年8月に「N.O.B.U!!!」の名前でユニバーサルミュージックより、アルバム「POWER TO THE PEOPLE!!!」でメジャーデビュー。
ついにメジャーデビューを果たした彼だが、どうやら彼が当時思っていた程たやすい道のりが続くわけではなかったようだ。
自分の歌に絶対的な自信があったという彼は、メジャーデビューさえすればその後はのぼっていくだけだと思っているところがあったと語る。
でもそんなうまくはいかず、歌う場所を自分で確保しなければなんのチャンスも得られないような毎日で、とにかくあちこちに顔をだし声をかけ全てを自分自身でこなす日々だったそうだ。
たった数人の観客を前に、「なんでこんなところで・・・」と当時の彼は少し高みから見る気持ちがあったとも言っている。
そして、メジャーデビュー2年後、所属レコード会社を契約解除となってしまった。
それでも歌を諦めなかったのは、純粋な気持ちで音楽をやることを応援してくれる人からの言葉が大きかったそう。
たったひとりの人にでも歌を届けることのできる喜び、そして歌うチャンスがあるという自身の幸せを改めて思い直したからこそ転機が訪れたのかもしれない。
2017年ユニバーサルミュージックと再契約。
名義をNOBUに変え「いま、太陽に向かって咲く花」に再び息を吹き込んだ。
2度目の△△で話題になったワケ
ユニバーサルミュージックより2度目のデビューを果たしたNOBU。
同じレコード会社から再デビューするという経緯は業界でも話題になったようだが、彼自身はこれまでの自分を振り返る良いきっかけになったのかもしれない。
以前とは違い、音楽に対しても自分の考えや活動の幅などしっかりとした肝ができたようだ。
なによりも、歌を通して何を伝えたいかという思いがより明確になり、確かな自信を持てたと言う。
挫折や苦労を味わいながらも、それでも「歌いたい」というただただ純粋な思いが彼を強く動かしていたのだろう。
周囲からは、とても礼儀正しくまっすぐな人だといわれているNOBU。
そんな彼の人間性が周囲を動かし、2度目のデビューへと縁が繋がったのかもしれない。
希望と勇気に溢れる彼自身の人間性が、2度目の再生「いま、太陽に向かって咲く花」を話題にした理由とも言えそうだ。
いま、太陽に向かって咲く花
〇〇に向けた応援歌だった
NOBUにとって一番大事にしているこの曲は、どんな場所でも必ず歌ってきたという思い入れの強い一曲。
音楽を共に追い続けた憧れの存在でもある兄が就職の道を選んだ、その時から少しずつ距離があいてしまった兄との関係に「再生」を願う気持ちがあったという。
そんな、兄への手紙のつもりで書いたのが応援歌「太陽に向かって咲く花」。
この曲、実はN.O.B.U!!!として一度目のメジャー・デビューで出したアルバム「POWER TO THE PEOPLE」に既に収録されていた。
そして、2016年熊本地震の際にこの歌を現地で歌い被災者を勇気づけたことが転機となり、SING LIKE TALKING佐藤竹善のプロデュース・アレンジの力を借りセルフカバー。
「いま、太陽に向かって咲く花」として息を吹き返した。
つまり、兄に向けた応援歌でもあり、地元九州に向けた応援歌でもあるのだ。
歌詞をチェック
太陽に向かって咲く花は
誰よりも輝いてる
花咲かずとも根を伸ばしゆけ
名もなき奇麗な花
出典: いま、太陽に向かって咲く花/ 作詞:NOBU 作曲:NOBU
昨日までの雨も上がり
今日は晴れ渡り
少し眠い目覚めぬ心 体は
また目をつむった
夢を見た はしゃいでいた
幼き頃の遠い記憶
その瞳は輝いていた
忘れかけていた
出典: いま、太陽に向かって咲く花/ 作詞:NOBU 作曲:NOBU