キャンディーズを代表するヒット曲

【キャンディーズ/春一番】口ずさみたくなる歌詞を解釈!名曲は著作権問題で放送禁止になっている!?の画像

左 :藤村美樹(愛称:ミキちゃん)
中央:伊藤 蘭(愛称:ランちゃん)
右 :田中好子(愛称:スーちゃん)

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/キャンディーズ

昭和を代表する女性アイドルグループ「キャンディーズ」。

3人は大手芸能事務所・渡辺プロダクション(ナベプロ)から1972年にデビューしました。

ナベプロと言えばネプチューン、アンガールズなど、多くのお笑い芸人を輩出しています。

最近は平野ノラ、ブルゾンちえみがブレイクしたのでお笑い事務所のイメージがあるかもしれません。

ですが元々は天地真理、ザ・ピーナッツなど、アイドルといえばナベプロ」と言われていました。

キャンディーズの3人はそもそもスターのバックで踊る「スクールメイツ」メンバーでした。

そんな彼女らが音楽番組のマスコットガールを経てプロデューサーの目に留まりデビューすることに。

キャンディーズの活動期間は1972年~1978年と短く、音楽業界がまだまだ発展期だった時代です。

当時を知らない方は多いでしょうが、楽曲は今も歌い継がれています。

もしかしたら知らないうちに耳にしているかもしれません。

今回は、1976年にリリースされた活動中期のヒット曲「春一番」を紹介していきます。

これぞキャンディーズ

歌唱力とコーラスの美しさ

春一番/キャンディーズ

懐かしい方、または新鮮に感じる方、さまざまと思います。

映像は多少古めかしさもありますが、3人の一糸乱れぬ歌唱力は今聞いても素晴らしいです。

キャンディーズの特徴をあげる項目として「ハーモニーの美しさ」は欠かせません。

この曲も振付を踊りながら、美しいコーラスが重ねられています。

でも「もうすぐ春ですね」の後、握った右手は胸の辺りで水平にしていたような……。

この映像はまだ振付が確定する前の初期のものなのかもしれませんね。

「清純な正統派アイドル」のキャンディーズ。

解散コンサートで発せられた「普通の女の子に戻りたい!」は当時流行語にも選ばれました。

では次は歌詞を見て行きましょう。

春が来るよ! 出かけてみよう!

春がそこまで来てるのに

雪が溶けて川になって 流れて行きます
つくしの子がはずかしげに 顔を出します
もうすぐ春ですねえ ちょっと気取ってみませんか
風が吹いて暖かさを 運んで来ました
どこかの子が隣の子を 迎えに来ました
もうすぐ春ですねえ 彼を誘ってみませんか
泣いてばかりいたって 幸せは来ないから
重いコート脱いで 出かけませんか
もうすぐ春ですねえ 恋をしてみませんか

出典: 春一番/作詞:穂口雄右 作曲:穂口雄右

主人公は失恋に心を痛めている女の子。

想い続けていた相手に気持ちを告げましたが受け入れてはもらえなかったようです。

恐らく部屋で膝を抱えてしまっている彼女に歌が優しく呼びかけます。

外は春めいてきましたよ。いつもより少しだけオシャレして出かけませんか?」

彼女はまだ声には気付きません。

よほど想っていた時間が長く、悲しみが深いのでしょうか。

春風はあなたに冷たくないですよ。子供たちも元気に外で遊んでますよ。

あなたにいつも話しかけていた人のこと、覚えてますか?

彼は今、どうしてるんでしょうね」

きっと普段から、彼女のことを気にかけてくれた男性がいたのでしょう。

彼に夢中だった彼女はその男性のことをふと思い出します。

もしかしたら「最近どう?」なんてメッセージが来たのかもしれません。

部屋にこもってても楽しくないでしょう。

冬のコートなんてもう必要ないって知ってましたか?

外に出かけてみませんか? また恋をしましょうよ」

ようやく彼女は歌の呼びかけに気付いて部屋から外に出るのです。

少し顔を上げてみて

日だまりには雀たちが 楽しそうです
雪をはねて猫柳が 顔を出します
もうすぐ春ですね ちょっと気取ってみませんか
おしゃれをして男の子が 出かけて行きます
水をけってカエルの子が 泳いで行きます
もうすぐ春ですね 彼を誘ってみませんか
別れ話したのは 去年のことでしたね
ひとつ大人になって 忘れませんか
もうすぐ春ですねえ 恋をしてみませんか

出典: 春一番/作詞:穂口雄右 作曲:穂口雄右

このブロックは「外に出かけた主人公」が描かれています。

部屋にこもっている間に外の空気も景色も随分変わっていたのでしょう。

「ほらね、言ったでしょう。もう春がそこまで来てるんですよ。

下を向いてないで顔を上げて。せっかくお気に入りの服を着てるんだから」

彼女は足元を見るのをやめて少しだけ顔を上げました。

するといろんな景色が鮮やかな色を付けて視界に入ってきます。

「そわそわしてるあの男の子、初デートかな。

男の人もやっぱりデートの前って緊張するんだ……」

そんな男の子を見ていると彼女に少し希望が湧いてきます。

踏み出すのが怖いのは自分だけじゃない。

辛かったのは、もう去年のこと。

もうそろそろ新しい「春(恋)」を見つける時期が来ているようです。

次へ進むための季節

雪が溶けて川になって 流れて行きます
つくしの子がはずかしげに 顔を出します
もうすぐ春ですねえ ちょっと気取ってみませんか
別れ話したのは 去年のことでしたね
ひとつ大人になって 忘れませんか
もうすぐ春ですねえ 恋をしてみませんか
もうすぐ春ですねえ 恋をしてみませんか

出典: 春一番/作詞:穂口雄右 作曲:穂口雄右