ライターとしても活動する言葉の魔術師
EP「後付」収録曲
この楽曲は、デジタルEPに収録されています。
歌手だけでなく、代表取締役やライターとして活躍する小林私さんが手掛けました。
既にライブでも披露されていて、非常に評判の高い曲です。
聞いていると一度だけで全ての歌詞を聞き取ることは難しいです。
可能な限り、歌詞カードを見ながら聞くといいでしょう。
歌詞をみていこう
実際に楽曲を聴けば、ドラムアレンジとテンポ感が秀逸だと感じるでしょう。
歌詞もまるで文学小説のような内容が、描かれています。
歌詞を確認する前に、ぜひ歌詞に目を通しながら曲を聴いてみてください。
歌詞に隠されたくすぶるような思いが分かれば、また違った視点で楽曲が楽しめます。
一緒に考察している気分で、読み進めてみてください。
純文学のような歌詞
自暴自棄な主人公
これからは
冴えない言葉も元から削がれたうぶで無垢な愛しさにしようや
端からみりゃほら面白可笑しい歪んだ鏡に見えるだろうが
出典: サラダとタコメーター/作詞:小林私 作曲:小林私
2行目の歌詞から言葉をかなり意識している様子が感じられます。
歌詞の主人公はライターや作詞家なのかと感じます。
洗練されていない文章は、現代社会では見向きもされません。
しかし、それをあえて愛される存在にしようと考えている様子。
自暴自棄になっている可能性があります。
文を作ることに疲れたのでしょう。
しかし、そのような言葉は周りからは受け入れられません。
主人公だけが笑われてしまうのでしょう。
世間の人は、主人公の言葉選びのセンスがいまいちだと陰で笑っている可能性があります。
疲弊している
体と心とそれから誰かの視線の河に磨かれた芥
飽きたら捨てるもイドの召すままに覚えてすらいないや
出典: サラダとタコメーター/作詞:小林私 作曲:小林私
1行目で指摘されているゴミとは、主人公が紡いだ言葉だと解釈できます。
主人公は自分の意思ではなく、世間の評価を意識して文筆活動をしている様子です。
曲や本に飛びつくも、すぐに飽きてしまう無秩序な現代社会に疲れている様子です。
2行目は、人工言語イドのことを意味していると考えられます。
人工知能に操られ、次々と流行りを渡り歩いていく人間。
人間の存在意義も、徐々に薄れていくのかもしれません。
主人公はそのような世界にするのは嫌なのでしょう。
人間らしさはどこにあるのかを模索しているように感じます。
何も考えない人間の存在の増加
彼女も何も考えていない
絡まって ただ待って 合言葉も決めずにいるんだ
君だって ほらこうやって 空は青はなんだ、簡単だろう
出典: サラダとタコメーター/作詞:小林私 作曲:小林私
君は、主人公の恋人だと解釈できます。
2人は親密な関係です。
ただ1行目から、交際に当たり2人の決め事は決めていないと考察できます。
もしかすると、付き合おうという言葉もないまま惰性で付き合っている可能性もあるでしょう。
2行目から、君は物事を深く考えない様子。
空の色といえば、定番の色しか思い浮かばないのでしょう。
主人公はそんな恋人を少し上から目線でみているように感じます。
恋人も、主人公から馬鹿にされていることに気が付いているのかもしれません。
しかし、恋人は思考が停止しています。
悪く言われていてももう何も感じないロボットのような存在になっている可能性もあります。