日本語のタイトル曲
『オヒアの木』は、2020年7月にゲリラリリースされた楽曲です。
リリース前には、オフィシャルサイトでカウントダウンがおこなわれ、ファンをくぎ付けにしています。
さすがあゆといった感じですが、本曲はこれまでの曲とは一変していました。
デビュー以来、英語でのタイトルを一貫していた浜崎あゆみ。
初の日本語タイトルの曲を出したことでも、大きな話題となったのです。
また、彼女は突然の出産報告でも世間を騒がせました。
そして、シングルマザーという生き方を選択しその生き方が注目されています。
これまでとは違う、あゆの決意や愛情が詰まった本曲を紐解いていきましょう。
我が子への語りかけ
『オヒアの木』は、手紙のような語りかけからはじまります。
まるでゆりかごに揺られているような、優しいメロディが心を癒すのではないでしょうか。
天使
「拝啓 わたしの小さくて
永遠に世界一の天使へ」
出典: オヒアの木/作詞:ayumi hamasaki 作曲:Kazuhito Kikuchi
この曲は子供が大人になった時に、宝物になるでしょう。
母となったあゆが、自分の子供に贈る曲なのです。
そして子を持つ母親たちは共感し、口ずさむのではないでしょうか。
我が子は、いくつになっても尊く世界一の存在です。
まして出産間もなかった彼女にとって、自分の一部である我が子は天使のようにかわいいでしょう。
彼女の惜しみない愛を感じるセリフとなっています。
産みたいという願いがあった
あゆにとって想定外だった妊娠ですが、彼女は産みたいという気持ちを優先させました。
高齢出産というリスクや、過密なスケジュールを乗り越えての我が子だったのです。
彼女はこの楽曲をリリースする前に「M 愛すべき人がいて」という自叙伝を出版しています。
暴露本でもあり、当初は出版をためらっていたともいわれていました。
しかしこの出版への決意も、母となる彼女の意思表示だったのでしょう。
彼女の人生を変えたともいえる、我が子の出産は歌に大きな影響を与えました。
あゆらしくありながら、これまでのあゆとは違った新しい歌がリリースされたのです。
母親一年生
あゆはこれまで様々な話題を振りまき、女性からの人気も確立しています。
強い女性像を定着させていたあゆが、この曲では普通の母親として歩き出していました。
初めての経験
初めましての涙だったり
初めて指繋いで眠った日とか
初めて全てがダメな気がして
初めて隣で泣き明かした日とか
初めてだらけの2人だったね
出典: オヒアの木/作詞:ayumi hamasaki 作曲:Kazuhito Kikuchi
出産の感動に涙を流す様子が、冒頭に綴られています。
辛い出産を乗り越え、初めて我が子の顔を見た瞬間に感極まった様子がうかがえます。
高齢出産という高いリスクの中、不安も大きかったのではないでしょうか。
無事に産まれてくれたことに、安心と喜びが入り混じったことでしょう。
赤ちゃんは反射的に差し出された指を握ります。
「手」ではなく「指」という表現も、小さな我が子を慈しむ様子を感じるセリフです。
母親は子供と一緒に成長していきます。
子供を産んだ時が一年生なのです。
特にあゆは、カリスマ性を持ってトップを走り続けた女性。
出来ないことやわからないことが多く、自分を責めてしまったのかもしれません。
母なら誰もが通る道です。
産後は情緒が不安定になるので、歌詞のように涙が出やすいといわれています。
泣き明かした日
出典: オヒアの木/作詞:ayumi hamasaki 作曲:Kazuhito Kikuchi
母なら共感出来るフレーズなのではないでしょうか。
子供と過ごす時間は、全てが初めての経験です。
あゆは「私生活を隠さないアーティスト」として有名です。
この曲にも、素直な彼女の気持ちが描かれているのでしょう。