アルバム「MAGIC」収録曲
『MAGIC』(マジック)は、DREAMS COME TRUEの6枚目のアルバム。1993年12月4日にEpic/Sony Records(現・エピックレコードジャパン)よりリリースされた。初週で114万枚を売り上げ、4週目で200万枚を突破した(オリコン調べ)。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/MAGIC_(DREAMS_COME_TRUEのアルバム)
愛してる 愛してた
6thアルバム「MAGIC」の9曲目に収録されている「愛してる 愛してた」。
この曲はシングルカットもCMなどのタイアップ曲でもない曲です。
しかし、ファンの間では、「ドリカムの曲の中で一番好きな曲」に挙げる人もいるほど隠れた名曲なのです。
別れた恋人を想う気持ちを、ストレートな言葉で綴った歌詞が涙を誘います。
ギター伴奏
当時まだ若手だったフラメンコギタリストのビセンテ・アミーゴがゲスト参加している。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/MAGIC_(DREAMS_COME_TRUEのアルバム)
日本でもフラメンコ音楽ファンの間では注目されているビセンテ・アミーゴ。
あの涙を誘うギター伴奏はまだデビューして間もない彼の演奏によるものです。
実はドリカムの結成した年と、ビセンテ・アミーゴが活動を開始した年は同じ1988年です。
曲に色を添えるギタリストに彼を選んだのもそういった不思議な縁を感じたからなのでしょうか。
彼の情感のこもったギター伴奏は曲を奥行きのあるものに変えています。
そして、曲に物語という名の命を吹き込んでいるのです。
そんなひとつの恋の終わりの物語を描いた曲「愛してる 愛してた」。
歌詞を紐解きます。
留守番電話の声
留守録になったままで
あなたの声が聞こえる
居留守なんてごめんね らしくないよね
出典: 愛してる 愛してた/作詞:吉田美和 作曲:吉田美和
この曲が作られた当時は、恋人たちの連絡手段は自宅にある固定電話でした。
留守番電話機能が広く普及したのもこの頃です。
浮かんでくる映像は、ひとりの部屋に響く冷たい機械的な留守番電話の声と、優しい彼の声。
その温度差が余計に寂しさを増幅させます。
あなたの声
もうきっと、彼の声を耳元で直接聴くこともないのです。
受話器越しでさえもリアルタイムで聴くことはもうきっとないのです。
彼は直接電話で別れを告げたかったのでしょうか?
それとも彼女が別れを既に彼に告げていてそれを彼は引き留めようとしていたのでしょうか?
どちらにせよ、まだ彼女は彼に気持ちが残っているのでしょう。
でも、もう彼とは終わらせなくてはいけない何らかの事情があったのでしょうか。
最後のメッセージ
"またかけるよ" たった10秒のメッセージを
巻き戻して 繰り返す
呼びかける やわらかい声も話し方も
全部 愛してた
出典: 愛してる 愛してた/作詞:吉田美和 作曲:吉田美和
短いメッセージの中にも、彼の様々な想いがあったのでしょう。
優しさや寂しさや恋しさ…。
そんな彼の気持ちに触れたくて、何度も留守電を聞き返しているのです。