誰にも言えない孤独だとか 君の不安を終わらせに来た
君が生きるなら僕も生きるよ ロックンロール イズ くたばるものか
ロックンロール イズ ノットデッド

出典: ロックンロール イズ ノットデッド/作詞:山口隆 作曲:山口隆

悲しみに苛まれている時に一人でいると、だんだん孤独になっていくでしょう。

寂しくて、不安になっていきます。

まさに孤独を感じている「君」のもとに主人公がやってきました。

相手をこれ以上孤独にさせないためです。

なんだかカッコイイですね!

「君」こそ主人公である「僕」の希望に他なりません。

大切な人に主人公は生かされています

恐らく、「君」もまた主人公に生かされているのでしょう。

何故なら主人公は相手の不安を払拭することで、生きるパワーを与えているからです。

エネルギーをもらった「君」が生きることで、主人公もまた生きる力が湧いてきます。

そうすれば「ロックンロール」も死なないようです。

この曲でいうロックンロールとは、主人公の相手を想う愛情を指しているのではないでしょうか。

相手への想い

後半の歌詞主人公の心情が中心になります。

これまでは落ち込んでいる相手を慰めている場面でしたが、次は心の中ということですね。

歌詞で語られる切ない気持ちは、やはり「君」に向けられたものなのでしょうか。

苦しみを分かち合う難しさ

苦しみも喜びと同じく 分かち合えるそんな日が来るだろうか
心の中にかくれた本当の僕よ目覚めろよ

出典: ロックンロール イズ ノットデッド/作詞:山口隆 作曲:山口隆

喜びはその時間を過ごしたり話を聞いたりするだけで、分かち合うことができます。

しかし、意外と苦しみや辛さを分かち合うことは難しいのです。

たとえば人見知りの人が「人が怖くて辛い」と苦しんでいたとしましょう。

人との交流が大好きな人がそれを聞いても、「何を言っているの?」としか思えないかもしれません。

同じ人見知りがそれを聞いたら、「分かる」というところまでは分かち合えるでしょう。

しかし人見知りといっても様々です。

「知らない人と話すのが怖い」程度の人もいれば、「知り合いであろうがなかろうが全ての人が怖い」人もいます。

もし苦しんでいる人が後者で、その悩みを聞いた人が前者なら、苦しみを分かち合うことは不可能です。

何を苦しいと思うかは人によって違いますし、苦しみの大きさ・感じ方もまた人それぞれ。

人が喜べることはある程度決まっていますが、苦しみはあまりにも種類が多いのです。

話を聞くだけでは、相手の苦しみを分かってあげることはなかなかできません。

分からなければ、分かち合うことすらおぼつかなくなります。

歌詞に戻すと、主人公はこの「苦しみを理解することの難しさ」に悩んでいるのでしょう。

自分が理解するのも、相手に理解してもらうのも。

しかし無理だと最初から諦めてしまえば、大切な人を支えられません。

そのために尻込みしている「本当の僕」を呼び出そうとしています。

「苦しみを分かち合える日」を迎えるため、自分を前向きにしようとしているのでしょうか。

心の傷

言葉にできないあのキズに 決着をつけるため強くなろう
本当の僕よ今世界で 一番の光を放っておくれ

出典: ロックンロール イズ ノットデッド/作詞:山口隆 作曲:山口隆

主人公もまた、心の「キズ」に苦しんでいます。

冒頭の「君」がそうだったように、主人公も悲しみで過ごした夜があったのでしょう。

だからこそ大切な人の悲しみや苦しみを分かち合うことを望んでいたのかもしれません。

つまり、相手に自分と同じような苦しみと孤独を味わってほしくないのです。

心に残るキズの痛みは、うまく言葉で表現することはできていません。

表現できないその感覚が、苦しみの正体のように思えます。

この苦しみから解放されるため、その上で苦しむ他人を救うためには強くなる他ありません。

彼は強くなった自分が、一番星のように眩い光を放っているイメージを描いています。

その時には苦しんでいる人々を救えるでしょう。

死んで咲く花など無い

生きてみたいから生きてみたい 死んで花実など咲くものかよ
強く願って明日を変えたい ロックンロール イズ ノットデッド

出典: ロックンロール イズ ノットデッド/作詞:山口隆 作曲:山口隆

主人公は「生きたい」と思うから生きています。

それは生物の本能というよりも、生きることの意義を感じているからでしょう。

死んでしまったら、現世でできることができなくなってしまいます。

その「できること」とは、花を咲かせて実をつけるという言葉で表現されています。

未来を変えるのも自分の可能性にかけるのも、生きていないとできません。

主人公が生きている限り、心の中にあるロックンロールも生き続けています。

「僕」も歌う

全て終わるまで息をしたい 君の名前を最後に呼びたい
君の全てなら僕が歌うよ ロックンロール イズ くたばるものか
ロックンロール イズ ノット ノットデッド

出典: ロックンロール イズ ノットデッド/作詞:山口隆 作曲:山口隆