不老不死求め ナ○ック星 移動
宣戦布告 民に血担(にな)う
占領 支配 黒い煙 網羅
「君散りタマエ・・」
逃げ惑う無抵抗民族
平伏す者さえ全て焼き尽くす
大虐殺 武力弾圧 独裁主義者
笑って踏み潰す
出典: 「F」/作詞:マキシマムザ亮君 作曲:マキシマムザ亮君
ここでも、フリーザの悪行が描かれています。
ドラゴンボールで不老不死を得るためにナメック星へ行ったフリーザはナメック星人たちを攻撃します。
ナメック星はドラゴンボールの人気キャラクター、ピッコロ大魔王の故郷。
ピッコロ大魔王は最初はおそろしい敵でしたが、後に味方となります。
しかし戦士として鍛えられていない一般のナメック星人たちは、フリーザの強さの前になす術がありません。
ただ逃げまどい、殺されていくのです。
ラ○ィッツ ナッ○ リストラ
○ュイ様 あっけなく即死
獰猛(どうもう) ド○リア横暴
ザー○ン ロングヘアー
その二の腕 pink pink pink
頭の中 sick sick sick
浮遊した Vehicle
戦闘力53万
迷宮入りヒストリー
no秩序 国狩り
ジャスティス 七つ玉
ロマンティックGIVE ME!
出典: 「F」/作詞:マキシマムザ亮君 作曲:マキシマムザ亮君
ラディッツ、ナッパ、キュイ、そしてザーボン、ドドリアというのはフリーザの部下の名前です。
この辺の歌詞はドラゴンボールの劇中での彼らの紹介だと思えばいいでしょう。
二の腕がピンク、などはフリーザの描写です。
「七つ玉」というのはドラゴンボールのことですね。
「ロマンティックGIVE ME」というのは、アニメ「ドラゴンボール」のエンディングテーマだった「ロマンティックあげるよ」にかけているのだと思います。
さて、ここまで歌詞を紹介してきましたが、いくつか伏字になっている箇所があるのにお気づきだと思います。
なぜ伏字になっているのか、気になる方もいるでしょう。
この曲の歌詞が「ドラゴンボール」に基づいていることと関係があるのです。
本来、このようにマンガのキャラクター名などを曲に使う場合、出版社や作者の許可が必要です。
ですが、ホルモンは集英社にも鳥山明先生にも無許可でこの曲を発表しました。
問題にならないよう、大事なところは伏字にしたのです。
伏字にしたところでわかる人にはバレバレなのですが、作品をバカにしたり中傷しているわけではないので許してくださいね、ということでしょうか。
仮にこの時点でクレームがついていたりしたら、この曲は永遠に葬られることになっていたでしょう。
木っ端微塵に消し飛ばす
その虫けら誘き出す
スカウター狂って クラッシュ
今‥見せよう…真の姿を…
神々たる変貌
後悔など遅い
ビリビリビリ大地が揺れる
ズキズキズキ傷が痛む
ビリビリビリ大気がウネる
その震えはダークサイド
フリー○ フリー○ フリー○ フリー○
波動 大穴 ギャラクシー
油断 罠 パラサイツ
フリー○ フリー○ フリー○ フリー○
怯え泣くは我ら民(みん)
出典: 「F」/作詞:マキシマムザ亮君 作曲:マキシマムザ亮君
というわけでフリーザの名前も伏字になっています。
しかしこの曲、思わぬ形で展開していくことになります。
2012年頃に、友人を通して鳥山明先生とホルモンの面々は知り合いになったのです。
鳥山先生はホルモンの名古屋公演に来て、楽屋挨拶までしてくれたとのこと。
そして2015年にドラゴンボールの新作映画『ドラゴンボールZ 復活の「F」』が公開されました。
「F」というのは、まさに、ホルモンの曲ですよね。
実際にこの映画は、一度倒したはずのフリーザが復活するという話だったのです。
そしてクライマックスの戦闘シーンで、なんと「F」が使われることになったのです。
『復活の「F」』の脚本は鳥山明先生自身が担当しました。
そもそもフリーザの話にしようと思ったのも、ホルモンの「F」を聞いたことがきっかけだったのです。
許可を取らず伏字にしていた曲が、本家に認められたのです。何とドラマチックな展開でしょう!
実際に何のことを歌ってる?
ここまで、「F」がドラゴンボールのフリーザのことを歌っているということを紹介してきました。
しかし実はこの曲、フリーザの話はあくまでも比喩であって、本当のテーマは別にあるのです。
マキシマムザ亮君は曲が誤解されるのを嫌うため、自分で詳細な解説を書きます。
この曲の解説はアルバム『予讐復讐』についているブックレットに書かれています。
それによると、これはチベットで行われている中国によるチベット民族虐殺のことを歌っているのだそうです。
このことはたびたび世界問題として報道されています。
反対するアーティストたちがチャリティーとして「チベタン・フリーダム・コンサート」というイベントを行ったこともあります。
「F」とは、フリーザのFであると同時に、「フリーダム」のFでもあるのです。
抑圧されたチベット民族を、フリーザに襲われたナメック星人に例えたとも言えるでしょうか。
実は非常に政治的なメッセージのある曲だったのですね。
最後に
マキシマム ザ ホルモンの「F」についてご紹介しました。
パッと聞いただけでは激しい、ノリのいい曲だなと思いますが、ドラゴンボールからチベットまで様々な意味が含まれている曲でした。
ホルモンの曲はこのように、いろんな意味がかくれているものがたくさんあります。
それを探るのもまた楽しいと思います。
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