先生の事好きですかー?
(ハーイハイハイハーイハイ)
手を上げてない人は
居残りですよ

出典: イノコリ先生/作詞:shito/Gom 作曲:Gom

「先生の事、好き?」という問いは冗談としても、明智先生は先生として生徒にイノコリをさせる立場の人間、つまり「イノコリ先生」だといえますね。

明智先生は春輝くんが通う高校の教師で、彼が所属する映画研究部の顧問も務めています。

コドモのまんま目つきで
睨んできたって構いませんが
オマエとは違ってさ
大人だからね…多分

出典: イノコリ先生/作詞:shito/Gom 作曲:Gom

クラスメイトみんな「先生の事好きー」と手を上げる中、春輝くんだけは明智先生に突っかかってきます。

春輝くんは先生のこと、"嫌い"なんでしょうか。

それでも反論したり、傷ついたりする反応は見せない明智先生。

大人の対応です。

屁理屈ばっか並べてんなって
ガキじゃないんだって マジでなめんじゃねー
一人で解答迷うな路頭
ほらやれるじゃん!な?

出典: イノコリ先生/作詞:shito/Gom 作曲:Gom

MVの映像からおわかりのとおり、2人は幼い頃からの知り合いだったんですね。

昔はできなかったルービックキューブも、高校生となった今は完璧にこなせる春輝くん。

それにしても、どうしてこんなに明智先生にイラついているのでしょうか。

先生の事好きですかー?
(ハーイハイハイハーイハイ)
手を上げてない人は
居残りです

センセー嫌いですよ 友達とは違う関係
賛成 多数決であんたの勝ちです
センセー偉いんですか? 未提出の宿題を
僕と解きませんか昔みたいにね?

出典: イノコリ先生/作詞:shito/Gom 作曲:Gom

みんなが先生の問いに手を上げる中、やっぱり春輝くんは「嫌いですよ」と言ってしまいます。

それでも、明智先生は言うのです。

「昔みたいに一緒に宿題を解きませんか」と。

ガキ扱いもムカつくけれど

ガキのまんまだって言うけど
背丈もそう変わらねーぜ(?)
恋愛だってしてるし
大人だからね…多分

出典: イノコリ先生/作詞:shito/Gom 作曲:Gom

この歌詞は、明智先生のガキ扱いが気に入らない春輝くん目線。

大人ぶってるのがかわいいですよね。

強がりばっか並べてんなって
ツギハギなのバレバレ
大人なんだよほどほど距離
理解しなよ な?

出典: イノコリ先生/作詞:shito/Gom 作曲:Gom

だけど、明智先生には春輝くんの背伸びはバレバレなようですね。

センセーの事好きですかー?
(ハーイハイハイハーイハイ)
手を上げられないです
上っ面だけじゃ

センセー嫌いですよ 友達とは違う関係
賛成 多数決であんたの勝ちです
センセー偉いんですか? 未提出の宿題を
僕と解きませんか昔みたいにね?

出典: イノコリ先生/作詞:shito/Gom 作曲:Gom

春輝くんがイラついているのは、ガキ扱いのせいだけじゃないようですよ。

歌詞の<手を上げられない>というのは、先生の<上っ面だけじゃ>好きって言えないってことですよね。

春輝くんの目に映っている明智先生は、他の生徒が見ている先生とは少し違うようです。

おかえり!イノコリ先生!

いつも周りに人がいて いつも誰かを笑わせて
追いかけてたの気づいてる憧れなんだ
いつも周りに人がいて 大事なものが増えていく
尊くなればその熱の怖さを知るんだ

出典: イノコリ先生/作詞:shito/Gom 作曲:Gom

物語の核心は歌詞&MVの、この部分にあります。

面倒見が良くて人気者の春輝くんを見て、ハッとする明智先生。

実は、春輝くんの兄・千秋と同級生でした。

春輝くん同様クラスの人気者だった千秋に憧れていた明智先生は、千秋の家にも出入りしていていました。

それで、かつて幼い春輝くんの勉強を教えていたんですね。

しかし、生まれつき体が弱かった千秋は、海で溺れたことで体調を悪化させ、亡くなってしまいます

間奏の部分で描かれているのは、この回想シーン。

この出来事にずーっと罪悪感を抱いてきた明智先生は、春輝くんと疎遠になったものの、彼の成長を見守るために教師になったんです。

だけど、周りの人が居なくなってしまい、生徒たちは卒業していく……。

自分こそ、取り残される「イノコリ先生」なんじゃないか、というネガティブな考えが、明智先生にはあるんです。