日本を代表するミクスチャーバンド!Dragon Ash
ミクスチャーロックとは
因みに「ミクスチャー・ロック」という単語自体は和製英語であり正式な英語ではないので間違っても海外では通用しません。
Dragon Ashが当時賛否両論ながらも注目されたのは「ラップ」であり、ラップは当時国人音楽の一形態に過ぎませんでした。
それが洋楽では1980年代以降ロック音楽の一部として取り入れられるようになり、日本では90年代後半以降となります。
正にその90年代後半という絶妙なタイミングでラップを大々的に認知させた偉大なグループがDragon Ashでした。
今でこそラップは様々なアーティストが取り入れ主流な音楽の一形態となりましたが、当時はまだ衝撃・感嘆の対象だったのです。
Dragon Ashの存在なくして邦楽におけるラップ並びにラップロックの認知・定着はないといっても過言ではありません。
Dragon Ashの人気曲・おすすめ曲を紹介
Grateful Days

1999年に5月にリリースされた「Grateful Days」。
発売から18年経った今でも、多くの人に愛され続けている、Dragon Ashを代表する曲です。
ゲストボーカルにZEEBRAさんとACOさんを迎え、自分を産み育ててくれた親、自分を支えてきてくれた周りの人たちに感謝する気持ちを歌ったこの歌。
いつの時代の若者にとっても心に響く名曲といえるのではないでしょうか。
Dragon Ash初のオリコン1位を獲得した作品であり、この曲でDragon Ashを知ったという人が増えたのです。
この曲の面白い所は「感謝」というとても大事な要素を不良文化という逆説的なアプローチから説いている所にあります。
歌詞に登場する主人公は東京に生まれてワルに憧れ、やや反社会的な所にまで足を踏み入れて親に迷惑をかけました。
しかし、そうした挫折を経て大人になったからこそ、改めて自身がどれだけ周囲に生かされているかに気付いたのです。
「与えられる」ことに慣れすぎて日常の出来事を「当たり前」だと思い込んでしまう若者の何と多いことか。
そうした現代の若者が根本的に抱えている社会との価値観のズレをラップロックで痛烈に皮肉っているのです。
正攻法で「感謝」を説いても伝わりにくく、説教臭い道徳の授業みたいになってしまいかねません。
それを不良文化の視点か説いているのがヤンキー精神に満ちた面白い所です。
I LOVE HIP HOP

Greatfdul Daysが割と一般層向けの親しみやすい曲なら、こちらはラップロック好きな若者向けの曲でしょう。
非常に難しい高速ラップが用いられており、また単語としても今なら確実に規制の対象になる言葉まであります。
要するにこの曲はDragon Ashの明確な意思表示の曲であり、それまで築かれたJ-POPの破壊と再生を果たしたのです。
どんなジャンルでもそうですが、1度隆盛を極めるとそこで大々的な破壊と再構築が行われるように出来ています。
邦楽においてはDragon Ashが間違いなくその破壊と再構築を担った異端児だったのではないでしょうか。
この曲にこそDragon Ashとはどういうバンドグループなのかが非常にしっかり詰まっているといえます。
Deep Impact

「日本を変える真の音楽」「狙うは当然てっぺんだ!」という言葉にこの曲の全てが詰まっています。
遂に自分たちが積み上げてきた音楽で頂点を取って日本の音楽の歴史を塗り替えてやると宣言したのです。
そしてその宣言通り、この後ラップロックを通してDragon Ashは日本の音楽をどんどん塗り替えていきます。
在りし日のラッパ我リヤやKjの凄さもまた分かる、非常に作家性と批判精神に満ちた曲ではないでしょうか。