歌詞を読み取ると、薄れていく自分を見てほしいと訴えています。

同じフレーズが2番ではこのようになります。

Look at me 壊れてゆく 少しずつ変わってゆく

出典: MONSTERS/作詞:ユカコラブデラックス 作曲:松隈ケンタ

どちらもこの直後に、「フェイクを乗り越える」という内容が続きます。

推測するに、これは自分たちの信念の状態を指していると思います。

それがハッキリとしたのは、次の歌詞を見たからです。

花は枯れ果て 時が止まったよう それが宿命と足を止めて

出典: MONSTERS/作詞:ユカコラブデラックス 作曲:松隈ケンタ

時が経ち、抱いていた信念も花が枯れるように姿形を変えていきます。

周囲の影響があったのかもしれません。大きな壁にぶち当たった可能性も…。

それが運命なのだと自分に言い聞かせ、信念を曲げようとしてしまう瞬間です。

己を奮い立たせるもの

では、モンスターとは一体何なのか?それは、己を奮い立たせる勇気のことだと思います。

信念を忘れそうになると現れる、勇気という名のモンスターです。

私だけのモンスター 誰よりも側に 長い夢をまだみていたい
SO 壊してく 壊してく 壊してく 

出典: MONSTERS/作詞:ユカコラブデラックス 作曲:松隈ケンタ

夢を見続けるために絶対に必要なモンスター。

いつも側にいて、歪んだ信念を叩き壊してくれる勇ましい存在です。

これらのことはすべて、主人公の心の中で繰り返される葛藤です。

ミュージックビデオでは、それを擬人化して描いていたのです。

信念の象徴として描かれる少女たちは、自分たちを閉じ込める保安官と戦っています。

夢を叶えるということは、それを否定するすべてのものと戦うということ。

炎上商法のPRをアイドルらしくないと否定する声。

ブランディングと称して、無理難題をふかっけてくる大人たち。

それらを払い除けるようにして走り続けてきた勇敢なBiSHの姿が重なります。

「モンスター」とシャウトすれば、自分たちの信念を呼び覚ますことができるのです。

彼女たちの信念とは、多くの人に自分たちの音楽を届けることです。

歌詞にこめられたメッセージ

ユカコラブデラックスが残したもの

歌詞のなかに、1つ引っかかる部分を見つけました。

その目をみれば どこまでも行ける 最初また最後のすべを抱いて

出典: MONSTERS/作詞:ユカコラブデラックス 作曲:松隈ケンタ

最初また最後のすべを抱くとは、どういった意味なのか?

この曲の作詞を担当した、ユカコラブデラックスさんがキーパーソンになります。

彼女は、2015年4月にBiSH脱退しました。チームへの在籍期間はなんと1ヶ月未満です。

脱退の理由は前身のBiSが好きすぎたことと、プレッシャーによる体調不良です。

この曲は、彼女の最初で最後の仕事だったと言えるでしょう。最初また最後の術というわけです。

メンバーから次の世代へと受け継ぐ贈り物のような曲が【MONSTERS】です。

BiSからの伝統や信念を引き継いでいってほしい。

そんな彼女の、祈るような願いが歌詞に込められていました。

活動期間中に受けたインタビューでも、BiSHには大きくなってほしいと答えています。

意志を引き継ぐ者たち

BiSH【MONSTERS】歌詞の意味を解釈!もう一度だけみたいものは何?モンスターを求める理由とはの画像

今はいないメンバーの想いも乗せて、彼女たちは偉大な功績を残し続けています。

デビュー1年目のライブ動員数は7000人。それだけでも十分にすごい功績です。

しかし、注目すべきは急激な成長力

活動3年目を迎える2018年には、動員数が1万7000人にも及んでいます。

この驚異的な伸び率には、BiS時代からのファンも驚きでしょう。

ミュージックステーション出演時に一度宣伝したライブチケットも即完売。

有名芸能人にも熱烈なファンが多く、その爆発的な勢いに注目を寄せています。