それでは歌詞を解説していきましょう。
この楽曲の登場人物は、主人公の女性と好きな人の2人。
主人公は友達である彼のことが好きなようですが、何度か告白してフラれているようです。
それもはっきり断られたわけではなく1行目で描かれているように、かなり曖昧。
自分のことが恋愛対象として見ることができないのか、それとも友達関係を続けたいのか…。
何もはっきりさせないままその場をやり過ごす主人公と好きな人の様子が伝わってきます。
それでも、主人公は諦めきれません。
なんと13回も同じように告白して、その度にはぐらかされてきたのです。
8行目に出てくる「π」という文字は円周率のこと。
永遠に割り切れない2人の関係を表しているのでしょう。
関係を終わらせる時
飛行機雲見えた時に
ハミングバード フライアウェイ
さすらうよ フライドアウェイ
all the way I think of you
そのための Song of you
出典: ハミングバード/作詞:YUKI Caravan 作曲:Caravan
13回も告白をはぐらかされた主人公は、空を見てある決意をします。
それは大好きな彼から離れること。
このまま曖昧な関係を続けていても自分自身が辛いだけだと思ったのです。
ハチドリのように1つの場所にとどまることなく、自由に飛び立つ。
それが必要だと感じたのでしょう。
けれど、それでもなお、主人公の彼に対する想いは失われてはいません。
離れていても、彼を想って歌い続けるのです。
主人公の気持ち
好きな人が恋しくて
せいいっぱいの恋愛で
神経質でスリープレスナイト
楽しんだぶん ヘビーウェイト
ああ 泣きたくなるんだ
Search light on me
you are my sun.
私だけを照らす太陽
かんちがいでいい 思いたいよう
やさしく 抱いていてよう
出典: ハミングバード/作詞:YUKI Caravan 作曲:Caravan
主人公は好きな人と会わないことを決めた後、一体どうなったのでしょうか?
ここの歌詞では、その後の様子が綴られています。
何度も告白をはぐらかされたのに諦めきれないほど真剣だった恋。
それはすぐに諦められるはずがありません。
2行目に出てくる「スリープレスナイト」とは、眠れない夜のこと。
眠ろうとすると彼の言葉や仕草が浮かび、眠れば彼と一緒に過ごしている夢を見る主人公。
寝不足は続き、気持ちも落ち込むばかりです。
そんな中で自分にとって彼は唯一人生を照らしてくれる存在だったのだと気づきます。
けれど、彼は自分の人生を照らすために存在しているわけではありません。
それでも、自分にとって彼はこんなにも必要なのだから運命だと思いたい。
今すぐ会って彼に抱きしめてほしい。
最後2行目の語尾が甘えたように「〜よう」となっているのが、より切なさを生み出します。
頭から離れない
いつまで...
さえずるのよ?...いつまで?
出典: ハミングバード/作詞:YUKI Caravan 作曲:Caravan
2番のサビの最後、主人公の爆発しそうな気持ちがひしひしと伝わってきます。
彼は自分の想いを受け取ってはくれないのに。
恋人になることは叶わないのに。だから、彼から離れたのに。
いつまで経っても頭から離れてくれない彼との思い出に八つ当たりをしているようです。
失恋経験のある人であれば、この主人公のイライラはよくわかるのではないでしょうか。
叶わない恋を諦めきれないというのは本当に苦しいことなのです。
この先の未来
空を飛ぶハチドリのように
白いキャンバスに描く空
深いスカイブルー越えたら
広がる 無限のジオラマ
夢でもう一度 逢えるなら
ライラライ このメロディーを贈るよ
ヘブンリー
ゆら ゆら 漂う風になる
ゆら ゆら ゆら
いつまで...?
出典: ハミングバード/作詞:YUKI Caravan 作曲:Caravan
好きな人から離れ、一度は絶望感を感じていた主人公。
しかし、歌詞の最後の方では気持ちの中に光が生まれた様子です。
彼との関係に縛られない自分。
それはこの先の未来を自由に描けるということ。
ハチドリが無限に広がる世界を旅するように、主人公はもう1人で前へと進めるのです。
そう思えるようになった主人公はもう夢の中で彼に逢ったとしても大丈夫。
私は元気でやっているからねと、上機嫌で彼に伝えることができます。