戻らない時間
愛しても愛しても あなたが遠くなるの
もう一度 もう一度あの日の二人に時間を戻してよ
出典: 時計の針 〜愛してもあなたが遠くなるの〜/作詞:kaela 作曲:會田茂一
時計の針に例えるなら、彼女は短針で彼が長針になるのでしょう。
彼女はいつも待つ側で、彼はどんどん離れていってしまいます。
一緒に会える時間は一瞬で、どんなに愛を伝えても彼はすぐにいなくなってしまうのです。
いつから彼女たちは、こんな関係になってしまったのでしょうか?
「出来ることなら、最初に出会った初々しい気持ちに戻りたい」彼女の心の叫びが伝わってきます。
彼女はもう限界
時計の針 埋まらない隙間たち 刻んで来たけど
出典: 時計の針 〜愛してもあなたが遠くなるの〜/作詞:kaela 作曲:會田茂一
「刻む」という言葉からは、時間の重みが感じられます。
彼を愛してきた時間は1ヶ月や2ヶ月のような短い時間ではありません。
何年も彼のことが好きで、尽くしてきたのでしょう。
しかし、長針が短針から離れていくように、彼も彼女から離れていきます。
時間が経つにつれて、心の隙間は埋まるどころか大きくなっていたのです。
彼女にはもう彼を愛していく気力がありません。
「~けど」には、そんな彼女の想いがありありと表れています。
時間は戻らない
きらびやかな思い出たち
思い出は一分一秒
忘れない鮮やかな色
知らぬが仏塞ぐ日も
結びなおす赤い糸
出典: 時計の針 〜愛してもあなたが遠くなるの〜/作詞:kaela 作曲:會田茂一
彼との思い出は、まるですべてが昨日のことのようです。
彼女にとって彼は大事な存在で、それは現在も変わってはいません。
しかし、その裏には我慢しなければいけないことも多くあったはずです。
彼が浮気していることに気づいても、あえて見て見ぬ振りをしてきました。
自分と彼との赤い糸が切れたように感じても、必死に「愛している」を伝えてきました。
それらの思い出が一気に蘇ってきたのでしょう。
彼女はそんな思い出たちとも、彼と一緒にお別れを告げるつもりです。
2つの解釈
名前を呼んでもあなたに届かないの
もう一度 もう一度 あの日の二人に時間を戻してよ
出典: 時計の針 〜愛してもあなたが遠くなるの〜/作詞:kaela 作曲:會田茂一
今まで彼女は愛を伝え続けてきました。
しかし、彼は一向にこちらを振り向いてはくれません。
時計の針が一方向にしか進まないように、彼の心も振り向いてはいなかったのです。
この解釈でいくと、彼女は救われない運命になります。
愛していると思っていたのは彼女だけになってしまうからです。
歌の中で彼女は「時間を戻して」と歌っていますが、おそらく戻っても同じことが繰り返されるだけでしょう。
彼の心が、彼女に向き合ったことはなかったのです。
ただ、これだとあまりにも悲しいので、他の解釈も少し考えてみます。
彼に声が届かないのは、心の距離が離れてしまったという解釈です。
最初のころは、彼も彼女に夢中になっていました。
しかし交際期間が長くなるにつれて、彼は彼女にマンネリを感じるようになってしまいます。
徐々に離れていく彼の心を見て、「時計の針を戻してよ」と彼女は叫ぶのです。
長針と短針が重なっていた時に戻りたいと考えています。
こちらの解釈のほうが、この歌が伝えたいメッセージに近いのかもしれません。
彼女の恋の結末
愛しても愛しても あなたが遠くなるの
名前を呼んでもあなたに届かないの
悲しみもむなしさも 今さら止められない
もう一度愛し合えた日の二人に時間を戻してよ
出典: 時計の針 〜愛してもあなたが遠くなるの〜/作詞:kaela 作曲:會田茂一