Suspended 4thの「Vanessa」を解説!
Suspended 4th(以下、サスフォー)の「Vanessa」。
「ストラトキャスター・シーサイド」や「INVERSION」とともにバンドの黎明期から親しまれてきた人気曲です。
2019年7月発売の全国デビューミニアルバム「GIANTSTAMP」ほか、自主制作盤「Suspended 4th」などにも収録。
聴き比べて、超人的な演奏のバージョン違いを楽しむファンも多いのではないでしょうか。
特にHiromu Fukuda(むう)さん。
ヴィクター・ウッテンかのごとくスラップ奏法のベースが跳ねまくりです。
ライブキッズを熱くさせる彼らですが、この曲で伝えたいメッセージにも注目したいところ。
そこで歌詞について解説します。
1番の歌詞をチェック
著名人は誰のこと?
有名なあの作曲家も
聡明なあの発明家も
才能の柵を打ち壊して
来たんだ 僕らは
有限の引き出しはもう
枯れて廃れている
出典: Vanessa/作詞:Kazuki Washiyama 作曲:Kazuki Washiyama
それではKazuki Washiyama(ワシヤマ)さんが作詞した「Vanessa」の歌詞を1番から見ていきましょう。
冒頭では、この歌物語の主人公である「僕」の心情が吐露されています。
具体的な名前は挙げられていませんが、引き合いに出されているのは2行目のコンポーザーとインベンターです。
優秀だからこそ広く知られる人物。
主人公はこうした著名人が才能の邪魔になるものと格闘してきたことを意識しているようです。
つまり名を成した先達は、誰もが才能をすり減らすようにしてもがきながら偉業を成し遂げてきたということ。
しかし、主人公たちの才能には限界があり八方ふさがりと続きます。
まず、ここで例に挙げられた著名人は誰のことを表しているのでしょうか。
また、主人公との関係性や主人公自身の人物像も気になるところです。
作詞作曲したワシヤマさん自身が内面を描いているようにも受け取れます。
曲を生み出すという意味では、ご本人もコンポーザーでありインベンター。
もしかしたら偉大なロックミュージシャンについての話かもしれません。
ワシヤマさんたちサスフォーのメンバーがリスペクトする多数の音楽家。
そんな先駆者たちは限界を超えて名曲を生み出してきたけれど、それに比べて自分たちは底が見えてしまった。
そんな話でしょうか。
自分を欺く理由
知ったんだ
自分に嘘をつく訳を教えて
出典: Vanessa/作詞:Kazuki Washiyama 作曲:Kazuki Washiyama
ただ「嘘」という言葉も出てきます。
その為、偉大になるほど才能の出がらしみたいなものしか生まなくなる。
そうなると身をもってわかったから、なぜ自分をだましてまで中身のないものを生むのか理由を知りたい。
そういう意味かもしれません。
真逆の解釈が錯綜しておりますが、いずれにしてもどれほど才能にあふれていても限界はあるわけです。
そこまで達した時に、限界を越えて挑戦するのかどうかが課題になります。
後に続く歌詞で判断しましょう。
サビの歌詞をチェック
自信満々なの?
加速する才能 優越感に浸る心
揺らぐ言葉を 探って
舞い降りた先に
出典: Vanessa/作詞:Kazuki Washiyama 作曲:Kazuki Washiyama
これまでの歌詞では、主人公が偉大な先輩をリスペクトしているのか、残念がっているのか、非常に曖昧でした。
さらに、誰が嘘をついているのか、自分をだましているのかもよくわからなかったはずです。
読解力不足でついていけないと困惑された方もいるかもしれません。
しかし、それが正解なのです。
その理由が判明するのは歌詞2行目。
要するに、様々な意味に解釈できる歌詞になっていたということです。
才能の塊としか思えないサスフォーに限界が見えたと言われても「それは嘘では?」という話になります。
実際にこの曲でも、幾重にも解釈可能な深みのある歌詞が冒頭に掲げられていたわけです。
これこそが才能そのもの。
もちろん作曲や演奏も含めて、この曲の今この状態こそ、まさに才能が開花していることがわかります。
その結果、主人公はご満悦。
こうした複雑な方法をとってまで一体何をしたいのでしょうか?
続きを見てみましょう。
常に変わり続ける
さあ踊れ 平成の鐘
抜け出した二つの意味も遠く
この世界 無常の中 さあ手を叩け
出典: Vanessa/作詞:Kazuki Washiyama 作曲:Kazuki Washiyama