「電波通信」のここが凄い!
高難易度な楽曲
2010年2月24日に東京事変がリリースしたアルバム「スポーツ」。
タイトル「スポーツ」に相応しいダイナミックな演奏や展開が楽しめるアルバムとなっています。
今回はその中でも飛びぬけて勢いのある「電波通信」という楽曲をピックアップ!
デモテープの段階から高難易度だったというこの楽曲は、伊澤一葉による作曲です。
とても生演奏とは思えない演奏の数々…なのですが、これらは東京事変のスキルだからこそ為せる業。
ライブでも変わらないクオリティで見せつけてくれるのです!
むしろライブの臨場感が場の空気を掻き立てて、音源以上のクオリティと言っても過言ではないでしょう。
「電波」が表現するのは何?
作曲は伊澤一葉によるものですが、作詞は椎名林檎が行っています。
「電波通信」の世界感をさらに素晴らしいものにしているのは、言葉選びです。
楽曲のスピード感にちなんだ「電波」をモチーフにした言葉の数々が印象的。
「電波」はいったい何を表現しているのでしょうか?
この楽曲は何について歌っているのでしょうか?
ここからは歌詞の意味を解釈していくので、どうぞお楽しみください♪
通信ができない…その意味とは?
まず最初は電波の通信状況に関して歌われています。
内容を見るに…あまり良好とはいえないようです。
そもそも、この電波状況にはどんな意味があるのか、という点に注目していきましょう。
僅かな「電波」を感じ取る
アンテナ立てて頂戴
迚も間に合いそうにない
通じてオンライン 待って
微かな周波 ‥遠くない‥
出典: 電波通信/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉
言葉をそのまま解釈すると、電波の通信状況が良くないようです。
ラジオの周波数を合わせる時、僅かに音声が入りつつもなかなか綺麗に電波をキャッチできないときがあります。
雨の時などは特にこの傾向があるでしょう。
それと同じように、僅かに電波を感じるけど上手くチャンネルが合わない状態を連想させる表現…。
そもそも「電波」は何のことでしょう?
この先の歌詞で明らかになります。
あきらめない
本音デフォルト搭載
臆面も無く対応したい
信じてローファイ だって
確かな電波 …発してんだ
出典: 電波通信/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉
ここで人間味のある言葉も出てきました。
「デフォルト」とは初期設定のこと。
心の根の部分にある本音を受け止めたい、と言っているのだと思います。
この楽曲が心理的駆け引きをテーマにしていることが分かりますね。
電波状況は意思疎通を表現しているのでしょう。
「ローファイ」とは音質が悪いことを表現する言葉です。
今は上手くあなたの心をキャッチできない…でも、微かに感じ取れるからあきらめない。
そんな意味が込められているのではないでしょうか?
君への恋愛感情
サビに入ると「電波」の正体がより明らかになります。
遠まわしな表現が多いですが、深く読み解くことで主人公の情緒が見えてくるでしょう。
徹底的に解釈していきます。