そもそも「グリーフ」とは?
直訳するとグリーフは、「大きな悲しみ」という意味があります。
経験する場面としては、大切な人を失った喪失感などが挙げられますね。
それ以外にも離婚や職を失った時、ペットが死んだ時など、案外色々な場面で経験するのです。
「死」というものが必ず来る以上これは誰にでも起こる可能性のある自然な反応。
だからこそ幅広い共感を集めるテーマといえるでしょう。
悲撃のヒロイン症候群【グリーフ】
そんなグリーフをそのままタイトルに冠したこの楽曲のMVをご紹介します。
公開から半年以上で、再生回数は60万回に届こうかという快進撃を見せた人気楽曲です。
グループが提示するメッセージや世界観の方向性を広くアピールする作品にもなっているといえます。
なお、このMVには籠乃めあ、月雲巫女(ex.サクヤコノハナ)の両名は参加していません。
MVの舞台
本作の舞台となっているのは、薄暗く無機質な雰囲気を漂わせる石造りの部屋の一角。
窓は閉じられたままで、日光は一切入って来ません。
昼なのか夜なのかも判然としない、ただ明かりだけに照らされた空間。
ネガティブな感情に支配された心を暗示しているかのようです。
他のアイドルとは一線を画す「表情」
明るく弾けた空気感を特徴とする一般的なアイドルグループとは対照的なヒロシン。
彼女たちが売りとするのはダーク&クールのどこか神秘的な雰囲気です。
そうした特徴は、本作に登場する初期メンバー5人が見せる表情でもいかんなく表現されています。
このMVで登場する5人が笑顔を見せるシーンは最後まで一切ありません。
代わりにその顔に浮かんでくるのは憂いや儚さ、あるいはもの悲しさ。
かといって涙を見せたりするわけでもありません。
絶望感や悲嘆に襲われながらも、それに打ち勝とうとする芯の強さのようなものも感じさせてくれます。
MVの内容を見ていこう
それでは、「グリーフ」のMVの内容を少しずつひも解いて見ていくことにしましょう。
冒頭~イントロ
MVは冒頭、メンバー1人1人が部屋の中に入ってくる場面から始まります。
正面からぼんやりと映し出される蒼井叶が先頭です。
イントロのピアノに合わせて胡桃兎愛、野苺みくる、白雪姫乃、夜宵やむの順にメンバーが登場します。
全員が映し出されたところで、センターに立つ叶にリードされる形でダンスがスタート。
廃墟の中のような場所で、操り人形を思わせる振り付けが踊られます。
フランス人形をイメージさせるようなゴシック衣装はインパクト大ですね。
グリーフという哀しみで、心がぽっかりと空いてしまった、そんな人間を表しているのではないでしょうか?
クールで重いギターサウンドの上で踊るトランス系のシンセの音色。
浮遊感がありつつもどこかもの悲しさをも感じさせるイントロです。
明と暗、2つの相反する要素を兼ね備えた旋律が、5人の一糸乱れぬダンスを彩ります。
Aメロ・Bメロ
この楽曲ではメンバー5人全員それぞれにソロパートが与えられています。
兎愛以外のメンバーは全員2回以上登場パートがあるため、「兎愛ちゃんの出番が少ない!!」と嘆くファンの声もあります。
確かに「兎愛病」患者の皆さんにとってはちょっと残念かもしれませんね。
合間にダンスシーンも挟まれますが、基本的にはメンバーの歌唱シーンがメインとなる場面です。