Baby baby, all you've got to do is just
いつもスマイルにしてくれなきゃmy lover boy
全部ダーリン次第のeveryday
出典: CAN'T SLEEP, CAN'T EAT, I'M SICK/作詞:MICHICO 作曲:KURA T
この箇所は英文と日本語のちゃんぽんになっています。
「ねえ、あなた、あなたがすべきことはただひとついつも私を笑顔にすることなの、私の恋人よ」
こんな感じで理解してください。
好きな人に笑顔にしてもらえることこそ嬉しいことはこの世界にありません。
私たちは誰かと人生をともにすることを選びます。
その際に相手を決める決定的なポイントは一緒にケラケラと笑えることでしょう。
笑いのツボが一緒だとかの相性が恋愛において重要な役割を果たします。
私もそうした価値観を持ってダーリンと付き合っているのです。
「CAN’T SLEEP, CAN’T EAT, I’M SICK」という言葉は裏を覗くと壮大なノロケなのでしょう。
本当に不眠や摂食障害に悩んでいて病んでいるわという内容でしたらもっとダークな曲調でないとダメ。
その点、この曲は祝祭感や高揚感に満たされていて、ずっと幸せなビートを刻むのです。
私のご機嫌はすべてダーリンにかかっています。
ダーリンが私の1日をすべて決してしまうのです。
私は恋愛の相手に依存してしまうタイプの人なのでしょう。
こうしたタイプだからこそ恋患いで深く病んでしまうのかもしれません。
恋愛第一主義の姿
依存体質は危うい
Love is always first
そういう体質なの (Don't forget, baby)
取り扱い方に注意してね
少しめまいがしてきたみたいhold me
出典: CAN'T SLEEP, CAN'T EAT, I'M SICK/作詞:MICHICO 作曲:KURA T
「愛こそがいつだって第一なの、そのこと忘れないでね、ベイビー」
私は恋愛体質だってことを理解してねとダーリンに釘を差します。
ダーリンの一挙一動に気分が浮いたり沈んだりするのでしょう。
私はダーリンによって幸せにもなりますが、途轍もなく不幸な思いもしそうです。
何でも他人に委ねているフシがあり、こうした生き方はちょっと不健康かもしれません。
なるほど病気になるときもあるでしょう。
私のことがかなり心配になります。
恋愛相手への過度の依存は怖ろしいもの。
自分の人生であるのに、他人のご機嫌によってその日一日が左右されてしまうのですから。
実際に私はめまいを感じて倒れるフリをします。
今は抱きしめて受け止めてくれる人が側にいるので転倒はしません。
しかしこの先、恋愛がどうなるか分からないもの。
いつまでもこの恋が無事に続きますように願わずにはいられません。
少しの不調で抱きしめてと甘える仕草に私の人格が滲みます。
幸せも相手次第
体質改善はしないの?
Baby baby, all you've got to do is just
いつもハッピーにしてmy lover boy
全部ダーリン次第のeveryday
出典: CAN'T SLEEP, CAN'T EAT, I'M SICK/作詞:MICHICO 作曲:KURA T
リフレインのようですが若干違います。
「ねえ、あなた、あなたがするべきことはただひとつよ。私を幸せにして、私の恋人よ」
私たちが幸せでいられるかどうかはパートナーに依存する部分が大きいです。
ふたりの人間が一緒に生きてゆくということはそうした依存関係に支えられているのでしょう。
私が歌になるほど特殊なのはそうした依存関係が深すぎるからです。
自身の機嫌は相手次第。
これでは自立・自律できているとはいえません。
世の男性の多くはこういう女性を可愛いと思ってしまうのでしょうか。
同じ女性から見るとこうしたタイプの人は嫌われそうな印象もあるでしょう。
恋愛第一主義の人は男女問わず、同性から浮いた存在になるからこそ異性に依存してしまいます。
恋愛体質と他者への依存体質は紙一重です。
病んでしまうほどにこれらの症例が進むのならば体質改善をした方がいいのかもしれません。
しかし「CAN’T SLEEP, CAN’T EAT, I’M SICK」の主人公に思い改める場面はないのです。
なぜでしょうか。
おそらく思い切って恋に振り切る生き方を作詞家のMICHICOは全肯定したかったのかもしれません。
愛に生きているのだから責められることは何もないよね。
そんな思い切った心意気がうかがえます。
共依存のふたり
愛のぬかるみは怖い
Fallin',,,,, fallin' in love with you
I'm fallin'
I'm fallin' in love with you
Boy : Hey girl, you're my love
Hey girl, you're the one of one
Oh, I need ya love
全部ダーリン次第のeveryday
出典: CAN'T SLEEP, CAN'T EAT, I'M SICK/作詞:MICHICO 作曲:KURA T
「陥る あなたとの恋に落ちてゆくわ
ハマってゆく
私はあなたとの恋にハマっているの
男性:ねえ、君、君はオレの恋人さ
ねえ、君、君こそ唯一の存在なんだ
Oh オレは君の愛が必要なんだ」
愛の深みに落ちてゆく私。
一方でダーリンも私を深く愛しているようです。
相互依存関係なのでしょうか、ますます心配になってしまいます。
こうした関係は交際が順調なときはいいのですが、一度歯車が狂うと高みから転げ落ちるでしょう。
「共依存」と呼ばれる恋愛関係です。
大好きだからずっといたいで一生を終えられる人はほんの僅か。
いつの日か関係が崩れたときに怖い思いはしないか他人ながらハラハラします。
それでもこの熱々ぶりを作詞家のMICHICOは前面に押し出すのです。
ダンス・ポップですから疑問を持つような隙間もないほどに軽妙に曲が進みます。
しかし仔細に歌詞を覗いてみると、この恋愛はどこか微妙なバランスで屹立していることに気付くでしょう。
彼女が本当に描きたかったもの。
それは愛の深みの怖ろしさではないか。
そんなことすら考えてしまいます。
元々のタイトル「CAN’T SLEEP, CAN’T EAT, I’M SICK」自体がこの恋の異様さを表しているのです。