逢えない夜を数えて
切なさのグラスに愛を注いで
こんなにも愛しく想えたのは君だけ
今も心の中で

電話を切ると静寂の雨
「またね」と何度も響く夜の果て
寂しさ隠して 何も言わず
無邪気な声には心が痛む
逢いたくても 逢えなくて
この想いは晴れなくて
あぁ 夜空の向こうの神様
時を戻して 本物の愛なら

出典: http://j-lyric.net/artist/a00067f/l023fcd.html

曲の最後はハッピーエンドとはいえない切ない終わり方です。

「時を戻して」という表現は、愛の終わりを示唆しているように思えませんか?

「本物の愛なら」と問うということは、きっとオープンな関係ではなかったのでしょう。それでも関係や形のために愛を終わらせたくなかった、諦めたくなかった、という悔しさが滲み出ている一文です。

どれだけ「君」を想っていたか曲を通して強く表れているからこそ、最後の切なさが一際存在感を増しています

ドラマ仕立ての「バラード」のPVにも注目

この「バラード」は曲や歌詞だけでなく、PVにも注目したい作品です。

和田聴宏さんと松岡音々さんが切ない運命を辿るカップルを演じたこの曲のPVは、映像作品としても素敵な仕上がりになっています。

あるカップルを描く前半

PVの前半では、幸せそうなカップルが描かれます。色々なデートの場面が映し出され、2人の仲の良さが目立っています。

しかしここで注目したいのが、「2人が室内でくつろぐシーンがない」という点です。カップルならどちらかの家でゆっくりするのも定番のデートですが、2人はいつも外で逢っています。

お互いの家には行けない関係を示唆しているようにも思えます。

さらに、PV冒頭では車の中で寂しげな2人が並ぶシーンがあります。このシチュエーションが、後に来る展開の伏線となっています。

隠れた愛の関係を匂わせる描写

ただ仲の良いカップルというわけではない、と匂わせるシーンが出てきます。

デートの前にお互いどこかへ電話する2人。2人にはそれぞれ別の居場所が本来あるのでしょうか。

このような意味深なシーンがあることから、この曲は「不倫の歌では?」という考察もファンの間で立てられてきました。

2人のデートの場所は山のロッジ。やはりお互いの家を訪ねることは避けているように映ります。家にいる家族に隠れた、秘密の関係なのでしょうか。

終わらなければいけなかった愛

泣きながら深刻そうに話す2人が描かれます。何を話しているかは明らかになりませんが、傍から見るとそれはいかにも「別れ話」のシチュエーションに見えます。

そして車で「君」を送る主人公。冒頭のシーンはここから繋がっていました。

「君」が車を降りて去っていく別れの場面が曲の一番の盛り上がりと重なります。

そして2人の思い出の写真を消していく主人公。記憶から消して、忘れてしまわなければいけない関係だったのでしょうか。あまりにも切ないラストです。

まとめ

この曲が「不倫の歌」なのか?それは明らかにはなっていません。

歌詞にもPVにも、決定的なことが描かれているわけではありません。

しかし、たとえその関係が世間的にオープンにできないものだったとしても、別れ際に泣く2人の間にはきっと「本物の愛」があったのだろうと思わされます。

ただ愛だけで結ばれていた関係だからこそ、歌詞や映像、音楽の全てがひとつの物語となって作品の受け手の心に響いてきます。

切なくも美しい世界を見せてくれるケツメイシの「バラード」。まさに名曲と呼ぶにふさわしい感動的な曲ではないでしょうか。

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