tell me...何だか眠れない夜に頭の中くすぐられてるような
ねえ、どこを掻いたら治まるの? so tell me tell me...
あれもこれも欲しくなった欲望に襲われた僕には
もう一度君に笑顔を…? oh tell me tell me...

出典: また今日と同じ明日が来る/作詞:Fox.i.e・二宮和也 作曲:Fox.i.e

矛盾した心を抱えた頭の中は、なんとなくスッキリせず主人公を悩ませます。

そして歌詞の5行目を見ると、主人公は彼女に多くを求めすぎて、それが原因で別れてしまったのでは……という推測もできます。

好きな気持ちが大きすぎると、相手のすべてを自分の手中に収めたくなるもの。

でも相手にとっては、それが大きな負担となってしまいます。

恋愛不安定なシーソーの上に乗っているようなもの。

どちらかの思いが大きすぎると、バランスを崩して壊れてしまいます。

また最後のフレーズは、そんな自分が彼女に笑顔を求める資格があるのか?という意味にも取ることができそうです。

一歩踏み出すために

声を聴かせて 忘れられるよう
僕の中でまだ君の声は 特別なままそこにいるんだ

声を聴かせて 忘れられるよう
もう振り返らず前を向ける様に

出典: また今日と同じ明日が来る/作詞:Fox.i.e・二宮和也 作曲:Fox.i.e

サビでは主人公の切実な願いが歌われています。

ここで面白いのは「声を聴かせて~」の部分です。

彼女のことを忘れたいなら、普通は彼女を思い出すようなことから遠ざかろうとします。

声なんて聴いたら、思い出が蘇ってきて余計につらくなるだけです。

でももしかしたらその声を最後に、彼女のことを思う心にケリを付けたいのかもしれません。

主人公の複雑な心の動きが手に取るようにわかります。

「今日と同じ明日」は希望か絶望か

思い出すことをやめた

鏡に映り込んだ 冴えない顔を見て
情けない 仕方がない 君の所為だと言い訳した

無限に感じてた時間に作り上げた
かけがえのない瞬間を
もう見たくなくて 夜空に投げた

出典: また今日と同じ明日が来る/作詞:Fox.i.e・二宮和也 作曲:Fox.i.e

1番では彼女との思い出が蘇って胸の痛みを感じていた主人公。

2番ではその痛みが見た目にまで及んでいることがわかります。

失恋して泣いたり落ち込んだりするのは、女性も男性も同じこと。

よほどやつれた姿をしていたのでしょう。

そして1番では、思い出したくないのに思い出したいような複雑な気持ちでいたのに、2番ではとうとう思い出すことをやめてしまいます。

これ以上思い出にしがみついていても、どこにもいけないと感じたからでしょうか。

新しいスタートなのか、何もないゴールなのか

胸の鼓動の高鳴りが未だある僕が情けなく
きみを忘れる為に前に みえない明日を探してるけど
何か始まる様な… 何か終わる様な…

出典: また今日と同じ明日が来る/作詞:Fox.i.e・二宮和也 作曲:Fox.i.e

思い出すことをやめたはずの主人公ですが、やっぱりあの幸せだった頃のことは簡単には忘れられません。

ここでのキーフレーズとなるのが、最後の部分です。

彼女のことを忘れないと前に進めないことはわかっている。

だけど忘れてしまったら、自分の中で大事な何かを失ってしまうような不安がある。

忘れることで新しいスタートを切れるかもしれないけど、ゴールには何もないかもしれない。

失恋を乗り越えていこうとするときの、繊細で正直な心の動きが描かれています。

歩き出すために

声を聴かせて 前を向けるよう
世界に閉じ込められないよう いつだって足掻き苦しむんだ

声を聴かせて 明日にいけるよう
考えつく全てに僕らは 考えて行かなきゃいけないんだ

出典: また今日と同じ明日が来る/作詞:Fox.i.e・二宮和也 作曲:Fox.i.e

1番では彼女のことを忘れるために聴きたかった声ですが、2番では前向きなフレーズが並びます。

いつまでも彼女との思い出に浸っていては、どこにも進めない。

どんなに苦しくても一歩踏み出して、歩いていかないといけない。

そんな主人公の決意が見て取れます。

理想郷は自分の心の中にしかない