「会えない時間は決まって
”好き”と”不安”が膨らんでいく」
そんな事言ってたあなた
眠そうに目をこする

出典: ...more/作詞:菊池風磨 作曲:菊池風磨

この時はまだ、付き合っている時の描写に思えますね。

会えないと、「今何してるのかな」「浮気とか他の人と何かしてるのでは」と不安になる人もいるでしょう。

そしてそう感じていた筈の恋人が、眠そうにしています。

眠そうということは、多分夜なのでしょうね。

つまり眠そうにしている恋人がこのまま寝て起きても、「明日」になれば普通にそこにいる

昨日の続きの日常が待っているということです。

会えない時間の恋しさも、恋愛中だから感じること。

別れて相手が戻ってこないということは、もう「好き」も「不安」も膨らんでいないのでしょう。

失恋した日の次の日の「朝」は、とてつもなく残酷に思うのかもしれません。

「幸せな夜と変わりない次の日の朝」から、「別れて切ない今と当たり前に来る残酷な朝」を連想させます。

このあたりの歌詞の構造も実に巧みです。

最初にここの歌詞を読んだ時には、この「残酷な次の日の朝」に気付く人はほとんどいないでしょう。

しかし2回読むと、この夜の思い出の意味が分かって来てしまいます。

時が止まって変わったこと

笑い合う度に思う
「時よ止まれ」
不意に見せるその顔が
時を止めた
目まぐるしい日々の中
その刹那に
愛の意味が少しわかった気がした
(Love you now and forever)

もしも明日が来ないなら
ゆっくり ゆっくり
あなたと共にいたい
ねえ…一つだけ わがまま言わせて
-最後も笑顔見せて-
My love is you…baby

出典: ...more/作詞:菊池風磨 作曲:菊池風磨

この歌の中で度々「時よ止まれ」と「時間の描写」が登場します。

「時が止まって欲しい」ということは、「次の日の朝が来てほしくない」ということでしょう。

つまりこれは、別れという残酷な時間が来ているという意味に受け取れるのです。

愛し合っていた時に上手く笑えなかった恋人は、別れの間際には逆によく笑うようになります。

そんな恋人の笑顔を見て、不安になった主人公は別れを悟るようになっています。

そして実際、「時は止まって」しまった。

これはどういうことでしょうか。

さらにこの瞬間、主人公は愛の意味が少しわかったというのです。

これは、「時が止まった」という表現に二つの意味があるのでしょう。

つまり主人公は「時が止まって欲しい」と思ったのは、次の日の朝が来ないで欲しかったからです。

そうすればいつまでも恋人と一緒に夜を過ごせて、愛し合っていられます。

しかし実際に時が止まって起こったことは、二人の時間が「思い出」になってしまったということ。

次の日が来てほしくないともがけばもがくほど、皮肉にも二人の時間は別れに近づいてしまったのです。

そして失恋したことによって、今まで当たり前だった愛がどういうものなのかを知ってしまった。

無くなってから、やっとそのありがたみがわかったということです。

その後

まさかの誓い

いつか二人 同じ道を
並んで歩いていくこと今誓うから
ねぇ…いつまでも
一歩前でその手引くよ どんな日も

出典: ...more/作詞:菊池風磨 作曲:菊池風磨

何故か振られた方の主人公が、勝手にまた付き合うことを誓っています

決定的なのが今まで手を引かれていた主人公が、今度は何故か手を引いていくよ、というのです。

どういうことなのでしょうか。

止まったまま動かなくなった思い出の中では、恋人も止まったまま動くことはありません。

だから主人公は相手が何も言わないから、自分で「二人で歩こう」と勝手に誓う

また動いて手をひっぱってくれることもないから、自分から引っ張って恋人を動かそうとしているのです。

しかしそんなことをしても、相手が動くことなどあり得ないでしょう。

そのことは、もちろん主人公も気が付いています。

変わらないあなたへ

ねぇ…そんな風に
うまく笑えないままで良い
そのままが あなたらしいでしょ

出典: ...more/作詞:菊池風磨 作曲:菊池風磨

時間が止まった時に、恋人は笑顔のまま固まっているのでしょう。

だから付き合っていた頃のように、うまく笑えない状態に戻って欲しいのです。

これはもう完璧に別れていると見て間違いありません。

そのためまた付き合えるのかも、という解釈の仕方はかなり難しいと思われます。

最初は「また付き合える希望もあるのかな」と軽く考えてしまいますが、そんなことはあり得ないのです。

読めば読むほど「残酷さ」に気付くことの多い、まるでスルメのような歌詞

途中まではいろんな解釈の仕方もあるように思わせて、最後に決定的なトドメを刺してくる。

菊池さんの豊かな表現力がしっかりと出ています。

「...more」は他のソロ曲と繋がっている!?

「...more」は別れた後の物語を歌っていますが、実はその前段階を歌った曲があるのをご存知でしょうか。

好きな人ができて、その人と恋人になる幸せな期間が「Hello」

付き合った後にぎくしゃくした末にフラれてしまうのが「But...」です。

これらはどちらかというと男性目線なのですが、話を繋げようと思えば繋げられるのが面白いところ。

その後に「...more」を持ってくることで、一つの切ないストーリーが出来上がります。

どれも菊池さんのソロ曲であり、ご自身の恋愛体験を歌っているのでしょう。

だとしたら、少し切ない経験をしてこられたのですね。

そして自分で体験しているからこそ、こんなにも歌詞が生々しくリアルなのでしょう。

ちなみに「...more」の後は「My Life」で新たな出会いが描かれます。

「...more」の歌詞を踏まえてその続編だと考えたら、また面白い見方ができそうです。

菊池風磨のソロ活動にこれからも期待!

Sexy Zone(菊池風磨)【...more】歌詞の意味を解説!時を止められる?その時解る愛の意味の画像