はじめに
1st EP『アンディとロックとベンガルトラとウィスキー』に収録
EP『アンディとロックとベンガルトラとウィスキー』はandymori(アンディモリ)のデビュー作品。
1stアルバムにして多くの批評家たちの注目を浴びました。
特徴はなんといってもギターボーカル小山田壮平の爽やかで甘い歌声でしょう。
世界のさまざまな音楽に精通しており、歌詞にもそれが活かされています。
時代の移り変わりだったり、反戦を歌ったり…。
かなり大きなテーマを歌った曲も多いandymori。
彼らの楽曲群のなかから、今回は【FOLLOW ME】にスポットを当てます。
MVのご紹介

YouTubeにはandymoriのオフィシャルからMVが投稿されています。
そちらをここでご紹介しておくことにします。
未視聴の方は一度ご視聴いただけるとこのあとの歌詞解説がより理解しやすくなるかと思います。
壁が水色一色という特徴的な部屋で演奏するメンバー3人。
彼らはライブのときなど、いつもこの立ち位置ですね。
テンポの速いダウンストロークのバッキングからリフ、そして唐突感のある歌い出しが絶妙です。
3分に満たない演奏時間もandymoriらしい構成。
ということで、それではさっそく【FOLLOW ME】の歌詞解説へまいりましょう。
場面設定は?
小山田壮平の青春の旅
憧れのインディアは遠かったけれど
出典: FOLLOW ME/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平
ギターボーカルの小山田は19歳のときにインドへ旅行に行ったそうです。
それが冒頭リリックの指し示すところのよう。
そして小山田はそのとき訪れたインドで人生観を大きく変える体験をしました。
それは日本にいては見ることのできないような貧しさにあえぐ人々の生活だったようです。
この体験は小山田の音楽へ大きな影響を及ぼしています。
戦争と平和、そしてそれらを包み込むような音楽をandymoriとして表現していくことになりました。
カータースタイル奏法とは?
カータースタイル・フラットピッキングとケララ産できめて
出典: FOLLOW ME/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平
“カータースタイル・フラットピッキング”というのはアメリカ発祥のギターの奏法のことです。
「カーター・ファミリー」という、白人バンドの始祖と称されるグループの名前が元になっています。
それまでのギターは指や爪、あるいはサムピックと呼ばれる親指にはめ込むピックを使うのが主流でした。
しかしカーター・ファミリーのギター・パート「メイベル」は“フラットピック”による奏法を編み出したのです。
これはロカビリーやカントリーなどその後のアメリカ音楽に多大な影響を与えました。
フラットピックというのは“ギターピック”と聞いて真っ先にイメージされるもののことです。
今では当たり前のことですが、20世紀前半の音楽界では革命的なことだったのでしょう。
このようにして、フラットピックを使ったギター奏法をカータースタイルと呼ぶようになりました。
何がケララ産なの?
「ケララ」というのは、小山田が現地で調達したアコースティックギターの産地でした。
インドにはケララ州という地名が存在するようです。
現地で楽器を用意し、インドのストリートで演奏を披露していたかつての小山田。
日本人ながら、その演奏力で現地でのストリートライブは人だかりができていたそうです。