午前5時までならステップバイステップ踊ってあげるよ
そして僕の部屋へおいでよ
出典: FOLLOW ME/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平
午前5時という遅い時間まで小山田は付き合ってくれるそう。
帰りたくない夜は誰にでもあるかと思います。
そんなときに彼を誘うとこちらが満足するまで付き合ってくれる優しい存在。
底抜けの優しさをもつ人物、それが小山田です。
優しいからこそ、いや優しすぎるからこそ反戦思想を持つべくして持ったのかもしれません。
しかし夜を明かしたあなたを「部屋へおいでよ」と突然自分の家へ誘ってくる小山田。
あなたが女性だったらこの言葉にはドキッとしてしまうのではないでしょうか?
音楽を世界平和のために奏でてきた日本の誇るandymoriというロックバンド。
世界平和を願う人間とはどのような人間なのかを知りたければandymoriを聴くことが一番の近道でしょう。
強烈なメッセージと表題の示すもの
オレンジ色の夕日
太陽が破裂するまで歌ってあげるよ
出典: FOLLOW ME/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平
andymoriの曲には太陽をイメージした歌詞がたびたび登場します。
もしかしたら小山田の原初風景なのかもしれません。
それも夕方の真っ赤に燃えるような太陽のイメージです。
ジリジリとしていて人間の魂の奥底までも熱をあたえてくれるような、そんな夕日。
andymoriの奏でるロックを聴いているとそんな叙情的な風景が瞼(まぶた)の裏に浮かびます。
さらにその太陽が破裂してしまうのだから一体どれほどの熱エネルギーなのでしょうか。
一見優しそうな小山田の心のなかが垣間見えるような歌詞です。
小山田にとってのアメリカ
ウィーアーザワールド
カリフォルニアドリーミング
キープオンザサニーサイド
出典: FOLLOW ME/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平
これらはいずれもアメリカ発の曲名です。
それらを羅列するのは一体どういった意図なのでしょうか?
【FOLLOW ME】は小山田がインドで体験した青春についての歌ではありません。
強烈な社会風刺の曲なのです。
目を覆いたくなるほどの貧しさには理由がありました。
ヨーロッパにとどまらず、その侵略の手を全世界へと広げていった白人たち。
インドも例にもれず長い間イギリス領でした。
農業に適した土地、鉄の発明、そういった圧倒的な武器をひっさげて世界を蹂躙していたかつての欧米諸国。
白人たちがいい思いをしている一方で圧搾されていたのは技術力をもたない民族でした。
冒頭のバースから出てきていたアメリカ発の単語はすべてこのことに対する皮肉です。
そして欧米諸国の白人たちへの批判でした。
痛烈な批判
百貫デブにはサプリメントを
有色人種にはマシンガンを
出典: FOLLOW ME/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平
ここまでくるとかなり直接的な表現になっています。
百貫(“貫”は昔の日本で使われていた重さの単位)もあるのではないかと思われる肥えた白人。
どうして彼らはそんなに太っているのか?
無言のうちに対比されるのは痩せ細ったインドの人々です。
そしてマシンガンを持たされ、戦争で実際に死ぬのも白人ではなく奴隷のような彼らだけ。
同じ地球に生きているのにも関わらず、どうしてこんなにも差が生まれてしまうのか?
小山田はきっと深く悩んだはずです。
どこにその原因があるのか?どうしてそんなにも当たり前にように搾取ができるのか?
諸説ありますが、多くの白人が信仰する宗教にその原因があるとする意見も存在します。
日本人にはあまり馴染まないような搾取も、神の加護という免罪符のような言葉で為せてしまうのです。
日本人であり、そのなかでも鋭敏な感覚をもっていた小山田には理解できないような光景だったでしょう。
だからこそ彼の思想に大きな影響を与え、彼の生涯歌い続けるテーマとなったのだろうと思います。
表題の意味
FOLLOW ME
出典: FOLLOW ME/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平
そして彼らは歌うのです。
“FOLLO ME(ついてこい!)”と。
きっと考えたって仕方ないし、何かを変えるよりも目の前の人たちを幸せにしたいと思ったのではないでしょうか。
具体的に何かを変えるのは政治家の仕事。
では音楽をしている自分にできることは?
音楽はその思いを歌詞に乗せ、楽器を演奏し大音量で世界へ鳴らすことができる…。
そのように小山田は考えたのではないかと思います。
彼の音楽に賛同し、彼を筆頭に、今でも続くさまざまな人種による平和の隊列が見えるようです。