愛する人への想いを歌ったあいみょんの「ハルノヒ」

シンガーソングライターであるあいみょんが歌う「ハルノヒ」

タイトルらしく春の暖かい気候と輝く未来を象徴するような、優しく落ち着いたメロディが耳に心地良い曲です。

歌詞もそんな春の訪れに相応しいある恋人の姿を歌っているのですが…。

実はこの二人、あの国民的アニメに登場する最強夫婦!

アニメ「クレヨンしんちゃん」の主人公、しんのすけの両親であるひろしとみさえなのです。

しんちゃんと妹のひまわりが生まれた頃は既に二人とも夫婦ですが、最初から夫婦だったわけではありません。

「ハルノヒ」は、ひろしとみさえがまだ恋人だった頃から、夫婦になっていく姿が描かれています。

劇場版「クレヨンしんちゃん」の主題歌

あいみょん【ハルノヒ】歌詞解説!ひろしのプロポーズがテーマ!?映画版「クレヨンしんちゃん」主題歌☆の画像

「ハルノヒ」は2019年の「クレヨンしんちゃん」の映画「新婚旅行ハリケーン 失われたひろし」の主題歌です。

ひろしとみさえは新婚旅行に行く間もなく、しんのすけとひまわりをもうけました。

自由過ぎる子供たちで毎日ドタバタ劇を繰り広げている野原家。

こうなれば新婚旅行になんて行く暇はなかったのでしょう。

しかし、今回ひろしとみさえはやっと新婚旅行としてオーストラリアへ行けることに!

しんのすけとひまわり、飼い犬のシロも一緒なので半分家族旅行のようなものです。

一家は楽しい旅行を満喫するのですが、ある夜ひろしが謎の一団に連れ去らわれてしまうのでした。

というわけで、「ハルノヒ」が飾る映画はひろしがメインのようですね。

映画と「ハルノヒ」で、ひろしとみさえの愛と絆が感じられる組み合わせになっています!

これからやってくる未来

「ハルノヒ」の歌詞は、ひろし目線で描かれています。

「クレヨンしんちゃん」の設定が散りばめられた歌詞なので、この作品に触れながら解説していきます。

もしかしたら家族や大切な人を持つ人なら、共感できるところも多いかもしれません。

いつもきれいなお姉さんに鼻の下を伸ばしては、みさえに怒られるひろし。

ですが、実はいつだって妻のことが一番です。

そんなひろしは、みさえにどんな想いを抱いて今に至るのかが垣間見えます。

思い出の地「北千住」

北千住駅のプラットホーム
銀色の改札
思い出話と想い出ふかし
腰掛けたベンチで

僕らは何も見えない
未来を誓い合った

出典: ハルノヒ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん

「クレヨンしんちゃん」の舞台は春日部なので、「なんで北千住?」と思った人も多いかもしれません。

実は、ひろしがみさえにプロポーズした場所が北千住なのです。

まだ恋人だった二人にとっての思い出の場所。

出会いからこの時点に至るまでの記憶をたどりながら、プロポーズをしたのでしょう。

未来は誰にも分りません。

それでも、二人はその未来を一緒に歩くことに決めたのです。

春の到来

寒さにこらえた木々と猫が
まるで僕らのことで
蕾を咲かせようと実を揺らしてる

焦らないでいい
いつか花束になっておくれよ

出典: ハルノヒ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん

当たり前な話ですが、恋人と夫婦は全く違います。

恋人は他人ですが、夫婦は家族なのです。

他人から家族に変わっていくことは、一度決めてもなかなか難しい。

この危うく繊細な状況が「冬」であり、そんな時間を耐え抜く二人を「木々」と「猫」で表しています。

ですが、少なくともひろしは「この人となら一緒に歩ける」と心の中で確信できたのかもしれません。

そう思った時、春の訪れを予感させるように花の蕾が膨らむのです。

この蕾は幸せという花の蕾と、北千住駅の前にあったかもしれない花の蕾を重ねているようにも思えます。

前者はきっと、後者のようにすぐに咲くものではありません。

焦らずゆっくりと咲かせていきたいという願いが込められているのではないでしょうか。

恋人から夫婦へ

それまで待っていてね
これからの展開をふたりで
飽きるまで過ごしてみるからね
最低限の愛を伝えながら

出典: ハルノヒ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん