命の並んだ
午前零時のスーパーマーケット
これから食べる命を選ぶんだ
TVで放送されている爆弾が降る民族紛争は
音声も映像も調整された戦争
出典: illusion/作詞:深瀬慧 作曲:藤崎彩織・深瀬慧
全ての言葉にエコーがかかったような歌い出し。
「スーパーマーケット」や「民族紛争」の部分はさらにエコーがかかっていて刺激的に聞こえます。
特に「民族紛争」の部分の歌い方が声を振り絞っていてスリル満点。
怖ろしいものを上手く表現した歌い方をしています。
本当に怖ろしさが出ていて、聴いていてゾクゾクしてくるのです。
とてもダークな世界に身も心も震えるような気分に。
この部分の歌詞は現実へのどうしようもない違和感を歌っているように感じます。
テレビで見ている戦争は、本当に現実を映し出しているのか?
それを現実と思っていやしないかい?
と、誰もが当たり前のように信じていたことについてのメッセージが聞こえてきます。
若い世代への問いかけは続く
機械仕掛けの「僕らの真実」はいつか
貴方の心を壊してしまうだろう
僕たちが見ている世界は加工、調整、再現、処理された世界
だから貴方がみているその世界だけがすべてではないと
皆だってそうおもわないかい?
出典: illusion/作詞:深瀬慧 作曲:藤崎彩織・深瀬慧
テレビで見ているもの、ネットで配信されているもの。
本当の現実を知らずに、それらが現実となってしまっている人も増えています。
そのような人が人の命の大切さが分からずに、殺人を犯してしまうという事件もどんどん増えているように感じます。
その1つの原因がメディアの普及だといえるでしょう。
テレビやネットの世界で完結してしまうと、今本当に起こっていることが想像できなくなってしまうのかもしれません。
それでもテレビやネットの世界が全てだと心から信じている人はいないでしょう。
皆が薄々それには気づいていながら、それでもその世界が現実だと信じてしまっていることもあるかもしれません。
そんな中途半端にテレビやネットの世界を信じている若い世代に向けて、本当の現実とはそうじゃない!とズバッと指摘してくれているような気がします。
もちろん歌詞の上ではハッキリとそれは違う!と言ってはいませんが、それで良いのだと思います。
明快なメッセージで宣言するのではなく、問いを与えることで人々に共感を与え、その後は自分で考えさせる。
それでこそ若者たちの内側から真実が導き出されるのでしょう。
セカオワのFukaseが先生となって導いてくれるような歌詞に熱く共感できます。
この世界は錯覚?
命を閉じ込めた灼熱の動物ランド
僕らはそこでホッキョクグマと出逢えるんだ
僕はコンピューターで無限の宇宙を見て
"もうすべてを知っている"と錯覚するんだ
出典: illusion/作詞:深瀬慧 作曲:藤崎彩織・深瀬慧
最近は、子供に「木の箱作れる?」と聞くと「作れるよ♪」と答える子が増えているように感じます。
テレビを見てよく知っているので、作れる気になっているのです。
しかし実際に作らせてみると、トンカチの使い方が分からなかったり、どうやって組み立てるのか分からなくて投げ出してしまったり……。
それと同じように大人でも行ったことがないのに行ったような気になっていたり、知りもしないことを知っていると勘違いしていることが増えています。
「ハワイはよくテレビで見ているから行く必要がない」
と旅行に行くのを辞めてしまう人までいるそうです。だいぶ話がそれてしまったようですが(笑)。
でもそれってつまらなくないですか?
熱いところにいるホッキョクグマって本物ですか?不自然じゃないですか?
そういうことを言っているんだと思います。
知識が「僕」を埋め尽くす
生きていくことがあまりにも便利になったから
生きているという実感がなくなっている
僕の知っている「現実」がどうか嘘でありますようにと
神様の「形」の「人形」に祈るんだ
出典: illusion/作詞:深瀬慧 作曲:藤崎彩織・深瀬慧
ここは何となく共感できるという人も多いでしょう。
便利なものは増えたけど、昔のように一生懸命手縫いで洋服を塗ったり、1から煮物を作ったりすることが減りました。
できている洋服を着てインスタント食品を食べ続けていると、時間は短縮できますがどうしようもないさみしさが残ります。
現代社会は、知りたいものがあればネットでググれば出てきます。
あれはどうなのかな?と不思議なものについてあれこれと想いを馳せることも減りました。
なんとなくさみしいですよね。
ここでは神様さえも信じられなくなっている「僕」がいます。
そして、人の形をした神様にも疑問を覚えているのではないでしょうか。
そう、神様という存在が人の形をしているというのは機械に埋もれた世界が教えてくれたこと。
本当かどうかは分からないですよね。
もう一度問いかけ続けて終わる
そしてもう一度若い世代の人々に疑問を投げかけ、歌が終わりを迎えます。
歌詞を読み解いてみて、いかがだったでしょうか?
この曲はメディアに埋もれたこの世界は本物なのか?と真実を問いかける歌詞でした。
本当の現実とは何なのか?今まで現実と思い込んでいたものが実は違うのかもしれない……と考えさせられる曲だと思います。
深みのある歌詞に、深みのあるメロディー。
とことんディープに考えさせてくれる曲です。
現代の現実に違和感を感じている若者たちの心に届く作品だといえるでしょう。
セカオワのこれからは?
淡麗グリーンラベルのCMに出演☆
気になるセカオワの今後の展開ですが、2018年7月には新しい淡麗グリーンラベルのCMが放送されています!
5月からは雨編としてボーカルFukaseが「RAIN」を演奏していたのですが、今回は星編として「スターライトパレード」を弾き語り☆
どちらも曲の雰囲気にあった素敵なCMですね。
星空の下でギター片手に歌うFukaseが印象的。
こんな不思議なジュークボックスがあったらいつまでも離れられなくなるでしょうね(笑)
30秒バージョンと60秒バージョンがあるので、どちらもチェックしてみてください。