Coccoからの想いを込めた一曲
「海辺に咲くばらのお話」。
絵本のような美しいタイトルが印象的な一曲です。
この曲はアルバム「スターシャンク」からの先行配信としてリリースされました。
美しいサウンドと魂の籠もった歌声が心を揺さぶるどこまでも温かく優しいバラードナンバーです。
今まで生きてきた道を肯定し、いつかの再会を約束する。
そんな歌詞は誰にでも訪れる死を描いたものとして読み取れます。
二人を隔てる距離が象徴するものとは何か。
そしてあなたの浮かべる悲しい笑顔には何が隠されているのでしょうか。
涙が溢れる美しい一曲。
この2点に注目しつつ、ひとつづつ歌詞を紐解いていきましょう。
精一杯生きた先で
力の限りに生きてきた今
ここまで
息をつないで
力の限りに
出典: 海に咲くばらのお話/作詞:Cocco 作曲:Cocco
息をつなぐという表現からは、絶え絶えになりながらも必死で次へと続けてきた印象を受けます。
必死で息を続け、生き続けてきた「わたし」。
力の限りに全力で生きてきた姿が、この言葉から見えてきます。
必死に続けてきたからこそ
ここらで
許されるかな
もういいかな
出典: 海に咲くばらのお話/作詞:Cocco 作曲:Cocco
必死で息をつなぎ、力の限りに生き続けてきた命。
生きることは幸せなだけでなく、苦しく辛いことの連続でもあります。
一歩一歩歩くごとに苦しいと感じながら必死で生きてきた人生。
それを十分に生きたと感じた時。
もう歩き続けるのをやめても許されるだろうか。
ふと、そう感じるときがあるのでしょう。
周囲の大切な人のために、自分の目標のためにと必死で生きてきた。
恩返しや、義理を果たすためにやめるわけにいかなかった。
でも、もう十分だろうか。
そう思ってふと息をつき、背中に負った重い荷物を下ろす。
そんな姿が浮かんできます。
温かな想いに包まれて
幸せと感謝を込めて
体中あふれるよ
温かな手を
ありがとう
身に余る
幸せに溺れるよ
出典: 海に咲くばらのお話/作詞:Cocco 作曲:Cocco
背負った荷物を下ろして今までの旅路を振り返る。
その時、心に残るのは感謝の想いです。
自分を愛し、大切にしてくれたたくさんの人々。
温かな手という言葉からは、そんな存在を感じます。
小さな自分の体からあふれるほどにもらった愛。
自分自身は立派な存在ではないから、たくさんの愛は身に余るほどのもの。
溺れてしまうほどの幸せに溢れていることを、わたしは今深く感じているのです。
何度でも風に乗って
泣かないで
何度でも
想いを届けよう
風に乗せて
風に乗って
出典: 海に咲くばらのお話/作詞:Cocco 作曲:Cocco