堀江淳の代表曲【メモリーグラス】はこんな曲
1981年のデビュー曲にして最大のヒットを記録
まだメディアに姿を見せていなかった堀江淳。
デビュー曲である【メモリーグラス】はラジオの有線放送でよく流れていた曲です。
その歌声からは誰が歌っているのかはもちろんのこと、男性なのか女性なのかすらわかりませんでした。
そんなミステリアスな背景もあって曲はたちまち大ヒット。
のちに歌番組に登場するや否や、ご覧の通りの甘いマスクでさらに彼の人気はうなぎ登りとなりました。
【メモリーグラス】はしっとりと女性の気持ちを歌った1曲。
それをこの容姿(しかも当時21歳)で歌うのですから、女性たちが夢中になるのも無理はありません。
今回はその楽曲についてご紹介していきたいと思います。
ど世代の方には懐かしい当時を思い出していただきましょう。
また、聴いた事のある方には歌詞の意味をしっかりとお届けします。
そして、ちゃんと聴いたことはなくても何かのきっかけで辿りついた方には、昭和の名曲の素晴らしさを!
筆者独自の歌詞解釈を全力でお届けして参りますので、ぜひ最後までお付き合いください。
カラオケでも人気の原曲をチェック
1980年代にして70万枚の大セールスを記録した本楽曲は、未だにスナックのカラオケ定番曲です。
中高年が集うカラオケで歌えば、女性陣はたちまち当時に戻ったように色めき立ちます。
そして男性陣も盛り上げてくれること間違いなし!
昭和の名曲は令和になっても全く色褪せることがありません。
歌詞から紐解く【メモリーグラス】の意味とは?
傷ついた心を癒すため、ちょっと強めの水割りで
水割りをください 涙の数だけ
今夜は思いきり 酔ってみたいのよ
ふられたんじゃないわ わたしがおりただけよ
遊びの相手なら 誰かを探してよ
出典: メモリーグラス/作詞:堀江淳 作曲:堀江淳
冒頭からお酒のオーダーです。
1行目のフレーズだけで想像できるのは、泣きたい気分で飲みに来た1人の女性。
そしてその理由は、1行目以降で綴られている通りです。
主人公の女性は、今はとにかくものすごく酔いたい気分。
流した涙の分だけ何度もお代わりをするつもりなのかもしれません。
もしかしたら、「ちょっと強めで」なんて頼んだかもしれませんね。
ひとしきり泣いて、傷ついた自分をお酒で癒している姿が目に浮かぶようです。
そんなちょっぴりヤケになっているこの女性ですが、想像してみてください。
自分が振られた、という事実から目を逸らしているのがお分かりいただけるでしょうか?
3行目から4行目の歌詞を見ると、好きになった相手が彼女に振り向いてくれなかったと受け取れます。
そしてこの恋愛から「おりた」と言っているのです。
恋愛から「おりる」と表現するのが、なんとも昭和っぽくていいですね。
彼女は、敢えて自ら彼との関係を断ち切った、という意味なのでしょう。
彼が彼女のことを遊び相手であるかのように扱ったのかもしれません。
だからこそ彼女は、“そんな男、こっちから願い下げ。”と思っているのです。
そんな男に振られた自分を認めたくなくて、あくまで私が手を引いたのだと。
そんな苛立ちを醸し出しつつ、彼女はさらに飲み続けます。
沢山の恋をしてきたけれど
ゆらり揺らめいて
そうよあたしは ダンシングドール
踊り疲れても もう何処へもいけない
ねェ… キラキラと輝くグラスには
いくつの恋が溶けてるの
出典: メモリーグラス/作詞:堀江淳 作曲:堀江淳
歌詞に出てくる「~ドール」とは何でしょうか?
調べていると、ミニ四駆やグループ名が検索されるのですが、時は昭和。
現代の言葉ではなく、もっと深い意味を探ってみましょう。
彼女が例える「ドール」とは、自動で永遠と踊り続ける人形を意味しているのではないでしょうか。
弄ばれた(弄ばれそうな)状況を皮肉って、機械仕掛けの人形のようだと比喩しているのかもしれません。
この仮説が正しいとすれば、この裏に隠された女心は例えばこうです。
“あなたのいう事ばかり聞く都合のいい女だったわ。”
そう捉えると、彼女が苛立ち、お酒をあおる理由もわかります。
そして4行目から5行目の、「グラスに溶けている恋は一体いくつあるの?」という自問自答。
これは、自分に対して今までどれだけの本気の恋をしてきたのか?と問うているのではないでしょうか。
この自問自答には、深い意味が隠れていそうです。
口では「おりた」なんて言っているけれど…。
実は“今までの恋の中で一番本気になった恋だったのに”という想いがあるように感じます。