スピッツの「つぐみ」とは?
「つぐみ」は2010年6月23日に発売されたスピッツの通算36作目のシングルです。
13作目のアルバム『とげまる』、ベストアルバムの『CYCLE HIT 2006-2017 Spitz Complete Single Collection』にも収録されています。
スピッツ「つぐみ」のMVをチェック!
パラパラ漫画の部分と映像の部分が交錯する斬新な演出のMVですね。
MVの内容は基本的に歌詞を再現したものですが、特に、美しい色の鳥のイラストが印象的に描かれているので、このイラストの鳥が意味するものを考えてみます。
「海原を渡っていく鳥のような心がここにある」という歌詞もありますが、MVの登場人物である、俳優の豊田裕也さん演じる男性と、
モデルの石坂友里さん演じる女性が会うことはありません。
そして、窓辺で女性のことを想っている男性の姿が描かれている際に鳥が飛び立っていることから、
このMVの鳥は、離れていても距離を超えて想い合う「心」、つまり、「海原を渡っていく鳥のような心」を意味していると考えられますね。
しかし、歌詞の意味を解釈してみると、「海原を渡っていく鳥のような心」には、別の意味もあることがわかったので、歌詞を解釈しながら説明していきたいと思います。
スピッツ「つぐみ」の歌詞の意味
「海原を渡っていく鳥のような心」という歌詞があり、それは、離れていても想い合っている心のことではないかということは
紹介しましたが、海を渡って越冬をする渡り鳥は多くいますね。
その中でなぜ「つぐみ」という鳥だったのでしょうか。
歌詞を解釈していく中で、その答えを探しましょう。
「君に生かされてる」と気づいたから...!
「愛してる」それだけじゃ 足りないけど 言わなくちゃ
うれしいとか 寂しいとか 君に生かされてる
だから 思いきり 手を伸ばす 手がふれる
海原を渡っていく 鳥のような心が ここに在る
出典: つぐみ/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
会えて「うれしい」とか、「寂しい」とか、「君」へ抱く感情が全てで、そんな感情に生きていると実感させられていると気づいた「僕」は、「君」に自分の愛を気持ちを伝えなければならないと感じたという歌詞ですね。
そして、解釈が難しいのがこの後の部分の歌詞で、「海原を渡っていく鳥のような心」というと、海を渡り、遥か遠くまで飛び続ける渡り鳥のように、恋人を思って遠くまで飛んでいくような心だと考えられますね。
しかし、その前には、「思いきり 手を伸ばす 手がふれる」という歌詞があるのです。
手を伸ばした程度で触れられるということは、「君」は「僕」の近くにいるということになると思いませんか?
「君」は「僕」の手が届くくらい近くにいるのか、はたまた海を越えなければ会えないくらい遠くにいるのか...。
その謎を解く鍵はまだ先の歌詞にありますので、続きの歌詞を見ていきましょう。
僕と同じ困難にぶつかっている君と出会えた奇跡
歩き出せない 暗い夜に 前触れなく ぶつかった
きっと 運命とか 越えるほど ありえない確率で
見つけ合えたよ
出典: つぐみ/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
「暗い夜」というのは、突然襲いかかったもう生きていけないと足がすくむくらいの人生の困難のこと。
そんな困難ぶつかったとき、同じように人生という道で立ち止まって進めなくなっている「君」と出会い、惹かれ合ったのでしょう。
それは決まっていた運命にしては奇跡的すぎて、きっと決まっていた運命を越えてしまって出会ったのだろうと思っているのですね。
そんな出会いを「見つけ合えたよ」という言葉で表現しているのが素敵ですね。
「僕」から「君」への想いの深さがわかる歌詞ですが、まだ二人の距離はわかりませんね。
続きの歌詞も解釈していきます!
君への想いに生かされて、そのために生きている
「愛してる」 それだけじゃ 足りないけど 言わなくちゃ
やさしくて 憎らしくて それのために僕は ここに在る
出典: つぐみ/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
前の歌詞では、「君」との恋による感情に「生かされてる」という歌詞でしたが、ここでは「それのために僕は ここに在る」と言い換えています。
「君」との恋にいろんな感情をもらって、生かされて、そして、そのために「僕」は生きている。
これだけの感情があるのに、「愛してる」と伝えていないことに気づいたなら早く伝えなければと焦る理由もよくわかりますね。
そして、この曲の核心に近づくのがこの続きの歌詞です。