シングル「関白宣言」
レコード大賞も受賞
「関白宣言」は1979年にリリースされた、さだまさしのシングルです。
オリコンチャートでは週間1位・年間4位を獲得するなど大ヒットを記録し、カラオケで歌う人や結婚式で替え歌を披露する人たちが続出しました。
さらにレコード大賞の金賞にも輝き、さだまさしを代表する1曲となったのです。
男の弱さや愛情も覗く
「関白宣言」は、結婚を目前に控えた男性から相手の女性に対してのメッセージという形で歌われています。
自分は亭主関白になるから結婚したらああしろこうしろ、と高らかに宣言しながらも、そこかしこに垣間見える男の弱気な部分が何ともユーモラスな内容です。
歌詞をめぐっては女性差別だとか男尊女卑だという意見もあったりして、賛否両論が対立したことでも話題になりましたが、歌の解釈というのは人それぞれですから仕方のないことですね。
これも「関白宣言」がいかに注目を集め、世間に影響を与えた作品かということが分かるエピソードといえるでしょう。
個人的には、相手に対する深い愛情があるのに素直に表現できない、そして無理とは分かっていても結婚に対する理想を一度は掲げてみたい、そんな不器用な男性の心情が絶妙に表現されている名曲だと思います。
関白失脚
ライブで披露したのがきっかけで誕生
そんな「関白宣言」から15年後の1994年に発表されたのが「関白失脚」です。
この曲は「ヴァージン・ロード」のカップリング曲としてリリースされたもので、アルバムでは1994年リリースの「おもひで泥棒」にも収録されています。
「関白失脚」が生まれたのは、さだまさしが1993年に行ったデビュー20周年コンサートの中で、テッパンのトークネタである「お父さんとポチ」を元に演奏したのが始まり。
「関白宣言」の一部をマイナーコードに変えて、替え歌で中年男性の物悲しさを歌ったところ、大反響となったのでした。
そこでファンのリクエストに応えて「関白失脚」として晴れてシングルをリリース。さらにはダスキンのキャンペーンにも起用されることになりました。
曲の中でグリーグのピアノ協奏曲の冒頭および序奏部が引用されている点にも注目です。
関白の座を追われた夫の悲哀
強気の関白宣言をして結婚したものの、それから時を経た今ではすっかり関白としての地位から失墜してしまった、切ない男の想いが描かれています。
独特の語り口と言葉選びはさすが!ユーモアのセンスに溢れるさだまさしならではの歌詞に、思わずふっと笑いが漏れてしまいます。
結婚生活の現実あるあるとして多くの人の共感を呼ぶと共に、似たような境遇にある世の男性たちへの応援歌として人気の高いナンバーです。
歌詞を見てみる
結婚の現実とは
お前を嫁に もらったけれど
いうにいえない ことだらけ
かなりさびしい話になるが
俺の本音も聞いとくれ
出典: https://twitter.com/bocchtsukare/status/912492385380196352
結婚前の勢いとは一転して、今ではなかなか奥さんに物申すことができない様子が伺えますね。
そんな旦那さんが本音をポツリポツリと吐露します。