五木ひろしの「長良川艶歌」ってどんな曲??
ご当地ソング
「長良川艶歌」(ながらがわえんか)は岐阜県の長良川を題材とした『ご当地ソング』です。
ご当地ソングとは歌詞やタイトルの中に地方の地名などを盛り込むことで、地方色を強く打ち出した曲。
その地方独特の文化を歌に取り入れることで、その地方での売上アップが見込め、またその地方のアピールにもつながるのです。
この曲は五木ひろしが1984年に発売したシングル曲で、第26回日本レコード大賞の大賞を受賞!
ザ・ベストテン(歌番組)でも1位を獲得しミリオンセラーに輝きました。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E8%89%AF%E5%B7%9D%E8%89%B6%E6%AD%8C
五木ひろしはこの他にもご当地ソングを発表していますが、この「長良川艶歌」が最大にヒットした楽曲です。
「長良川艶歌」は「長良川演歌」ではありません。「艶」という漢字を使っているので印象に残るタイトル名ですよね。
「長良川演歌」ですと、タイトルに引っ掛かりがなくなってしまうので、これほどの大ヒットはしなかったのではないかと思います。
記念碑が出来た!
この「長良川艶歌」の記録によって記念碑が建てられました。
五木ひろしがザ・ベストテンで「12年間ベストテン第一位」という大記録を作った時のことです。
岐阜県岐阜市の長良橋の鵜飼船乗り場前に歌詞を彫った記念碑が作られました。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E8%89%AF%E5%B7%9D%E8%89%B6%E6%AD%8C
歌詞付きの記念碑が建てられるなんてどれだけ「長良川艶歌」が地域へ貢献したのかがよく分かるエピソードです。
岐阜市に何十億もの経済効果をもたらしたでしょうから、記念碑ぐらいの費用は安いですよね(笑)。
それから、この記念碑を作ったことでさらにマスコミが拾って全国に宣伝してくれますので、長良川の知名度がアップするわけです。
「長良川にいって鵜飼を見てみようか」なんて人も増えるでしょうから、どれだけの経済効果があるのか想像も付きません。
それから、もちろん経済的なメリットはうれしいのですが、岐阜市民にとっては「長良川を歌ってくれた!」という誇らしい気持ちになりますよね。
やっぱり自分の地元のことが歌になれば非常にうれしいですから!それに演歌界の大御所である五木ひろしが歌うのですからより価値が高いです。
無名の演歌歌手が歌っては認知度が雲泥の差になりますからね。それでは「長良川艶歌」の世界をみていきましょう。
「長良川艶歌」の歌詞の意味をチェック
鵜飼い船
水にきらめく かがり火は
誰に想いを 燃やすやら
あなた あなたやさしい 旅の人
逢うたひと夜の 情けを乗せて
こころまかせの 鵜飼い舟
出典: 長良川艶歌/作詞:石本美由起 作曲:岡千秋
長良川に映るかがり火はメラメラと燃えています。水面にかがり火がきらめているので幻想的な雰囲気です。
炎のきらめきは誰かへの想い。想いが燃える様子の描写が美しいですね。
旅人と恋に落ちたようです。一目惚れでしょうか。
しかし、「やさしい旅の人」といっていますので、寂しい心の隙間に一瞬のやさしさを感じて恋に落ちたのかも知れません。
いずれにしても運命の出会いでしょうね。でも、旅人というものは次の土地へ流れていくもの。
ずっと2人ではいられない宿命に2人は何を感じているのでしょう。
2人は鵜飼の船に揺られています。これからどこへこの船は向うのでしょうか。
2人の行く末が気になります。
好きと言われた 嬉しさに
酔うて私は 燃えたのよ
あなた あなたすがって みたい人
肌を寄せても 明日は別れ
窓に夜明けの 風が泣く
出典: 長良川艶歌/作詞:石本美由起 作曲:岡千秋
誰からも好きと言われていない寂しい心にあなたは好きって言ってくれた。
それだけで本当にうれしかった。お酒の勢いも手伝って一夜を共にしました。身も心も燃えました。
あなたにすがってついて行きたいけど、そんなことも出来るわけない。
明日の別れがつらくて、離れないようにしっかりと抱きしめるけど、窓の外には無常にも風が吹き荒れている。
この気持を風が分かってくれていてわたしの代わりに泣いているかのように。
別れなくてはならないことを承知していたけど、好きにならずにはいられません。
明日はお別れと分かっていたって自分の気持ちを抑えることなんてできるでしょうか。
せめて一夜でも共にできた「しあわせ」を噛み締めています。この時間がずっと続かないかなと、無理な願いなのは分かっていますが願わずにはいられません。
添えぬさだめと 知りながら
いまは他人じゃ ない二人
あなた あなた私を 泣かす人
枕淋しや 鵜飼いの宿は
朝が白々 長良川
出典: 長良川艶歌/作詞:石本美由起 作曲:岡千秋
これからずっといっしょに過ごすことはかなわないと思っていた。
それでも、一線を超えて結ばれた2人。他人の関係ではなくなりました。
あなたはもうここから出ていかなければなりません。
外は明るくなってきて、あなたが出て行く時間が刻一刻と近づいてきています。
あなたが出ていったら涙を流すしかありません。
こうなるとは分かっていても、別れのつらさは心に突き刺さります。胸が苦しくてたまりません。
あなたに出会わなければこんな気持ちになることはなかったのに……。