主人公と"君"の間には物理的な距離が存在しており、次第にその距離は君の心をも遠ざけていきます。
主人公は自分がいないところで楽しそうにしている君に不安を抱いているのです。
今までは主人公がそばにいないことで不完全だった君。
しかし、次第に君はその環境にこなれていきます。
今日だって真っ白な地球 眼を瞑ったけど
知りたくない あの子と彼との空間中継
目に焼き付いてる
出典: サターン/作詞:ACAね 作曲:ACAね
もしかしたら彼にはもう主人公以上に親しい女の子がいるのかもしれません。
そのことを知ってしまい、主人公は苦しみます。
その光景を何度も思い出してしまうのです。
言わなきゃ でもやっぱやだ
それじゃ何も始まらないのだから
言わなきゃ なんかこのまま
気づかないふりしあいっこでいいのかな
出典: サターン/作詞:ACAね 作曲:ACAね
気づかないふりをしながら関係を続ける2人。
彼に苦しみを打ち明けてしまいたいけれど、そうすれば関係が崩れることを察しています。
だからこそ黙っているのですが、このままでいいのかと悩んでいるのです。
この距離だって乗り越えられるよね
なんて困らせたりしないよ
出典: サターン/作詞:ACAね 作曲:ACAね
曲の最後はこのような歌詞で締められます。
最後まで主人公は彼に嫌われるのを怖がっているともとれるかもしれません。
しかし、関係性を終わらせたともとれる表現ではないでしょうか。
彼を手放し、乗り越えなくていいよ、自由になってねという意味合いにもとることができます。
同時に主人公も苦しみから解き放たれたのではないかと考えられる一節です。
雲丹と栗
トゲのある殻に籠る
赤血球みたいな 白玉半分が欠けた
十五夜お月様 丸まってみたって僕は見てもらえないの
近づけば近づくほど 当たり前に変わる魔法
君との距離を保つため 守るために僕は戦うんだ
出典: 雲丹と栗/作詞:ACAね 作曲:ACAね
雲丹や栗だって丸くなることはできるのに、月のようにみんなに見てはもらえない。
そうして主人公はどんどん殻に籠ります。
主人公には近づきたい誰かがいるのですが、トゲがあるため近づけません。
傷つけないように距離を保ち続けているのです。
魅力はそれぞれ
雲丹と栗 柿と梨 たけのこご飯
魅力まで周りに合わせなくていいんだ
雲丹と栗 雨宿り 香ばしい木の実
不器用な話し方でもいいんだ
出典: 雲丹と栗/作詞:ACAね 作曲:ACAね
殻に籠った主人公ですが、後ろ向きな発言だけではありません。
柿と梨のように、同じ果物でもまったく魅力が違うものもあります。
また、たけのこご飯のように掛け合わせることで美味しくなるものだってあるのです。
何かと比べなくていい。
月を見てうらやましがらなくても、"雲丹"や"栗"には別の魅力があるのだから。
主人公はそう気づくことで、少しずつ前を向くようになります。
こちらも詳しい考察が当サイトにありますので、併せてチェックしてみてください。
ずっと真夜中でいいのに。【雲丹と栗】歌詞の意味を徹底考察!タイトルが示す意味と「僕」の存在を読み解く - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
YouTubeで話題沸騰中の【ずっと真夜中でいいのに。】通称ずとまよ。そんな彼女がデビューするまでの気持ちや想いを綴ったかのような楽曲が【雲丹と栗】です。彼女が歌詞に込めた意味と伝えたかった想いとは何なのか。歌詞から徹底考察していきます!