楽曲レビュー
幕開けは弾き語り配信で名を馳せてきたいかにもshimamoらしいもの。
ピアノと歌から始まる、しっとりとした立ち上がりで聴く人を引き込みます。
イントロから入ってくるバンドのサウンドも柔らかいイメージで、その声質に寄り添うような印象。
Bメロでのベースのメロディとの歌の絡み具合なんかもすごく繊細で耳を惹きます。
印象に残るのは
サビでは、穏やかながらも感情が溢れ出すようなボーカルワークを展開。
サビ終わりに見せる陰りなど、表情豊かに歌い上げる様子が感じられます。
shimamoの歌を聴いていて印象的なのはこの「表情豊かなのに、終始穏やか」というところ。
これは音量に頼らずとも幅の広い表現が出来ることを表しています。
彼女の歌の技術の高さを物語っていますね。
歌詞を徹底解釈
自分を僕と言っているのは
僕は強いから平気
君も知っているでしょう?
だから「お前で良かった」って
君は去って行ったんでしょう?
出典: セツナdays/作詞:shimamo 作曲:shimamo
主人公は自分のことを「僕」と言っています。
しかし主人公は女性です。
男勝りな彼女の強さを表すために「僕」という一人称を使っているのでしょう。
そんな強い彼女だから、「自分が居なくても大丈夫」だと言って彼は去って行ったといいます。
彼を思い出さないように
夕暮れ色の猫が急に
足元に来て優しくしてくれた
なんで泣けてくるんだろう?
ちょっぴり笑えた
君の背中を思い出す事ないくらい想ってる
出典: セツナdays/作詞:shimamo 作曲:shimamo
失恋などのショックなことがあったときは、感情が敏感になるものです。
ちょっとした優しさが身に沁みたり、ちょっとしたことが気に障ったりしますよね。
足元にすり寄って来た猫が優しく感じて泣けてきたという主人公の様子が、そんな不安定な心境を表しています。
意味深なのはこの部分の最後に登場する「思い出す事ないくらい想ってる」という言葉。
一見すると矛盾しているようにも感じます。
しかしこれは「思い出さないことが彼のためになる」ということではないでしょうか。
強い自分なら大丈夫だと信じて別れを告げた彼。
その気持ちに応えるために、振り返ってくよくよしているわけにはいかないのです。
強さはただの強がりだった
僕は強いから平気
君も知っているでしょう?
だから「お前で良かった」って
云って手を振ったんでしょう?
得意なエガオで手を振って
泣き崩れた切なday
出典: セツナdays/作詞:shimamo 作曲:shimamo
冒頭で出てきた歌詞が再び繰り返されます。
「得意なエガオ」という言葉が「無理して笑うことは慣れている」ということを物語っていますね。
「彼の前では強い自分でいなきゃ」といった様子で笑っていた彼女の姿が浮かびます。
彼の知っている主人公の強さはただの強がりだったのです。
忘れてしまうことの淋しさ
あの日君がくれたMusic
忘れないように何度も繰り返す
なんで僕らはいつも大切な事さえ忘れていくの?
淋しいんだよ
なのにどうしようもない
出典: セツナdays/作詞:shimamo 作曲:shimamo