EPのリリースは2020年1月!「何なんw」の魅力とは?
レトロ感も漂うサウンド
ミステリアスな雰囲気を漂わせながらも、一度聴いたら忘れられないずば抜けた音楽的センスと歌唱力。
その確かな実力で今多くの音楽業界人が熱い視線を送っている期待の新人シンガーです。
そんな藤井風さんのオリジナル音源「何なんw」は、2020年1月にEPがリリースされます。
先行して、2019年11月からは「何なんW」のみ先行ダウンロードも可能です。
どことなく懐かしい、レトロでノスタルジックなサウンドが印象的な曲です。
「何なん」ってもしや方言?
曲名「何なん」の他にも、曲中には方言と思われる言い回しが登場しています。
藤井さんが岡山県出身であることから、その地方の方言ではないかと思われます。
普段地方に住んでおり、この曲のような方言に馴染みのある方にはとても親しみやすい印象を与える。
対して普段あまり方言に馴染みのない都市部に住む人にとっては、かなり印象的に聞こえたりもするのではないでしょうか。
歌の主人公の一人称が「ワシ」であるからと言って、高齢者とは限りません。
しかしあまりこの一人称に馴染みのない方からすれば、「ワシ!?」と思わず驚くかもしれませんね。
不思議な歌詞 実は主人公はすでに亡くなっている!?
クラシカルなサウンドと共に歌われる、抽象的な歌詞。
ここからはそんな藤井風「何なんw」の歌詞を早速紐解いていきましょう。
一体、どんなストーリーが込められているのでしょうか?
メッセージ性の高い歌詞でもありますね。
1つの仮説としてこの歌の主人公「ワシ」は、実はすでに亡くなっているのではないでしょうか。
その根拠を拾う形で、解説に入っていきましょう。
いざ!歌詞の内容を解説!
触れない真実は裸の王様
あんたのその歯にはさがった青さ粉に
ふれるべきか否かで少し悩んでる
口にしない方がいい真実もあるから
出典: 何なんw/作詞:藤井風 作曲:藤井風
歌は日常的な風景から始まります。
同居する恋人同士、あるいは夫婦が、向き合って座っているのでしょうか。
歌の主人公である「ワシ」は、相手の歯が汚れているのに気づきます。
お好み焼などにかける「青のり」は、「あおさ」「あおさのり」とも言いますね。
歯に青のりが残ってしまうのはよくあることです。
しかし、ワシはそれをすぐに指摘しません。
そういう指摘をすると、相手が怒り出す性格を熟知しているのでしょう。
そうでなくとも、確かにこのシーンは指摘を悩む場面ではありますね。
指摘することで相手に恥ずかしい思いをさせるのではないか。
でも指摘せず相手が気づかないままだと、ずっと相手は恥ずかしい状態に気付かないままです。
この話は寓話「はだかの王さま」にどことなく似ています。
王さまは気に入る服がなかったばかりに裸でしたが、家臣はそれを言いませんでした。
服にうるさい王さまを納得させるためには、嘘をつかざるを得なかった。
歌の状況もそれに似た「優しい嘘」に思われます。
近いのに見えない?主人公
…知らない方が良かったなんて言わないで居て
何があってもずっと大好きなのに
どんなときも ここにいるのに
近すぎて 見えなくて ムシされて
出典: 何なんw/作詞:藤井風 作曲:藤井風
失恋して辛い時、「出会わない方が良かった」と口に出すシーンは多いです。
確かに今この世界で出会えた奇跡があるからこそ、2人で過ごせた時間は幸せなものでした。
ですがその時間が幸せであればあるほど、誰しもにいつか必ず訪れる別れの時。
その瞬間はとてつもなく辛く、苦しいものとなってしまうのです。
主人公の恋人も辛い感情を抱えているようです。
主人公はその気持ちを慰めたいと思っていますが、言葉は届きません。
この「見えなくて」や「近すぎて」から、主人公が亡くなっている説が出ます。
世界には多様な死生観があります。
その中に、死した人間はその後も大事な人の側にいるというものがあります。
生きている人が自分のことを考えていると感じ取り、呼べばそばに来てくれるのです。
あるいは次に人間として転生する前に、誰かの守護霊となる経験を積む人もいます。
霊感の強い人、感覚の鋭い人は、気配やかすかな声によって彼らの存在に気づきます。
彼らの多くが生前と変わらない姿や若い頃の姿をしており、普通に笑い話します。
愛する人を亡くして悲しむ恋人の姿を目にするのは、きっと辛いことでしょう。
歌の主人公は、恋人のことを慰めようとしているのかもしれません。
しかし、大きな悲しみに打ちひしがれていると、声を聞き取りづらくなってしまいます。
主人公は慰めようとしているのに、存在を気づかれることはないのです。