自力のあとは神頼み

神様たすけて、やばめ やばめ やばめ やばめ
足元照らして、やばめ やばめ やばめ やばめ

出典: 何なんw/作詞:藤井風 作曲:藤井風

恋人の幸せを祈っているのに、主人公の気持ちは届きません。

恋人のために助言を送っているのに、恋人の耳には聞こえません。

主人公も自分のしていることに迷いが生じて、神頼みに走ります。

自分の行動に自信が持てていないことは、「足元」という歌詞から分かります。

足元が盤石なら、人は自信が湧くからです。

この歌詞からは今はその足元が見えていない状態、というふうに読み取れますね。

自分の立っている場所がどんなところか分かれば。

次に動くべきなのか、ここに留まり続けるべきなのか、何かしらの判断ができるのに。

そんなもどかしい思いがこちらに伝わってくるような歌詞となっています。

祈りは恋人に対しても

目を閉じてみて 心の耳すまして 優しい気持ちで
答えを聴いて もう歌わせないで
裏切りのブルース

出典: 何なんw/作詞:藤井風 作曲:藤井風

主人公の祈りは、神様に対してだけでは終わりません。すがるように恋人にも話しかけます。

自分の声は、もう相手にはきっと届かないんだろう。

けれどそれが分かっていながらも、主人公は恋人への呼びかけをせずにはいられないのです。

心の声はとても小さいので、静かな時間を持たないと聞き取れません。

いつも騒いでいたり、沈黙を嫌うような人には難しいかもしれません。

主人公は恋人に対して、心の声を聞くように促しています。

しかしなぜ、助言しているのに「裏切り」という言葉が出てくるのでしょうか?

これはどうやら、主人公の抱く罪悪感を端的に表している表現ではないかと思われます。

想像ですが、2人はもしかしたら「いつまでも一緒にいようね」なんて。

その昔何かのタイミングで、そんな約束を交わしたのではないでしょうか。

にもかかわらず主人公が先に亡くなれば、その約束を破ったことになります。

主人公は死後も恋人のそばにい続けていますが、恋人にはその姿は見えません。

存在に気づけなければ、恋人にとっては相手はいなくなったも同然です。

約束したのに、裏切ったと言いたくなる気持ちもあるでしょう。

主人公が死後も恋人とともにいることは、愛でもあり贖罪でもあるのでしょうか。

伝わらなくてもどかしい気持ちは「何なん」

それは「何なんw」
…ワシは言うたが
それならば何なん
何で聞いてくれんかったん
何なん 何なん 何なん
あの時の笑顔は何なん
あの時の涙は何じゃったん
何なん

出典: 何なんw/作詞:藤井風 作曲:藤井風

主人公はますます迷います。それが「何なん」の一言に込められています。

最初は動揺の方が大きかったかもしれません。ですがここでは、主人公の混乱も感じ取れるように思われます。

恋人の態度が変わっていき、自分のしていることも信じられなくなる。

そうなれば、他に何を信じたら良いか迷ってしまうでしょう。

もういっそのこと何かに縋りたい。けれど何に縋ればいいのかもわからない。

主人公が葛藤の中で悩み苦しんでいるような、そんな余韻が残ります。

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