道端に咲く名もなき花が
何か言いたげに揺れている
正解なんてどこにもないと
そう私にもわかってるの
出典: 遠回りの愛情/作詞:秋元康 作曲:Noda Akiko
ここから2番のパートです。
1〜2行目で描かれている風景は、河川敷のような場所を連想させます。
夕焼けの中、帰り道の途中の河川敷。
そこで、名前の知らない花が風に揺られているのです。
それを見て主人公は、自分の気持ちをその花と重ね合わせているのでしょう。
本当はどうするべきか分かっている。
けれども素直になれず、自分の意思を伝えられないのです。
ここから分かるのは、主人公である彼女の生真面目さ。
不器用ささえ感じます。
一生懸命に、自分なりの答えを出そうと考えているのでしょう。
もう少しで家に
次の曲がり角で
いつもの道
家が近づく
出典: 遠回りの愛情/作詞:秋元康 作曲:Noda Akiko
そして、そんな考え事をしていた彼女はいつの間にか自宅の近くに到着していました。
考え事をしながら歩く道はいつもより時の流れが早く感じます。
1番のサビでの回想を経て、彼女の気持ちはどのように変化したのでしょうか。
それに関しては、次のパートである2番のサビで分かっていきます。
サビ(2番)
彼女の本心は
時間があっても
何も変わらないでしょう
あなたに言われた時から
本当は決めているのよ
出典: 遠回りの愛情/作詞:秋元康 作曲:Noda Akiko
1番のサビでは、答えを決めかねているように見えた彼女。
しかしこの4行から伝わるのは、実際はもう答えを決めていたこと。
しかし、それでも彼に伝えられたその場では答えを出せなかったのです。
その理由は、次の引用部分で書かれています。
本当の気持ち
それでも私は
同じ心の道
ちゃんと確かめながら
歩きたい
遠回りになっても…
出典: 遠回りの愛情/作詞:秋元康 作曲:Noda Akiko
ここでは主人公がついに内心を吐露しています。
このパートで彼女がいっているのは、ただ彼からの返事に応えるだけではダメだということ。
彼の気持ちに応えようとは思っているけれど、心の準備ができていないのでしょう。
主人公は、彼と同じように愛情の高ぶりを感じて、行動に移したいと思っています。
愛してはいるけれど、2人の間には温度差があることを感じさせる表現です。
主人公が、すぐに彼のことを受け入れられれば簡単に済む話。
しかし彼女はそれに納得できず、自分の中でもきちんと覚悟を持ちたい。
それが5行目の「遠回り」という言葉に表されています。
彼女なりの美学
その腕に
抱きしめてもらえるなら
ちゃんと自分の足で
一歩ずつ
私の方から歩く
すべてが愛のヒストリー
出典: 遠回りの愛情/作詞:秋元康 作曲:Noda Akiko
ここから、ラスサビ前のCメロパートです。
このパートではサビから繋がるように、自身の気持ちを語っています。
主人公である彼女が、彼からの告白に対しての答えを決めかねている理由。
それはこのパートにすべて詰まっているといっても、過言ではないでしょう。
彼が待っていてくれるなら、自分から彼の元へと歩いていく。
4行目の歌詞から感じるのは、この主人公にとってこの恋がとても大きなものであるということ。
だからこそ、彼女はいい加減に返事をすることができないのです。
そして、そうやってゆっくりと物事を進めていくこと。
それによって、思い出が増えていくのだという彼女なりの美学でもあるのでしょう。
彼女なりに考えた末に、彼の気持ちを保留していることが分かります。
それは否定の意味ではないのです。
2人にとっての今後を考えた上での彼女なりの答えなのでしょう。