寒空に浮かぶ雲一つゆるやかに流れ流れて
でもいつか 時と風のイタズラでちぎれ
離れ消えていくのか?

出典: そばにいれるなら…/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎

1つだった雲が風にちぎれ、ばらばらになって消えていく。

その光景に、主人公は自分と君の姿を重ねます。

君と一緒になれないのは、誰のせいでもありません。

ただ出会うのが遅かっただけ。

でもだからこそ、主人公はやるせない気持ちでいっぱいなのでしょう。

もしも時間を巻き戻せたら...。

そんな風に考えたこともあったかもしれません。

形を変えて流れていく雲のように、主人公の君への想いもいつか形を変える日がくるのでしょうか?

胸を痛めているのは君も同じ?

先なんて見えない だから今日は ただよりそって
僕の腕の中で ほら おやすみ さあ
同じ夢 見れるよに 願うのさ…

出典: そばにいれるなら…/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎

ここの歌詞は曲の中で最も意味深な部分といえるでしょう。

この歌詞が主人公の妄想でない限り、君は主人公の腕に抱かれて眠っているということになります。

もしかしたら、君も主人公に惹かれているのかもしれません。

しかし、君には裏切れない人がいます。

叶わない恋に胸を痛めているのは、主人公だけではなかったようですね。

自分たちが一緒になれる未来は、きっと訪れない。

だからせめて今夜だけは、2人で同じ夢を見よう。

そんな会話を君と交わしている姿を想像すると、ますます切なさに胸が痛くなりますね。

君を想う気持ちが主人公を臆病にする

淋しい夜には いつでもあなたを
守ってあげたいのだけど
会いたい時ほど なぜ会えないの?
僕じゃ君を守れないの?

出典: そばにいれるなら…/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎

君の寂しさを埋められる存在でありたかった。

そんな主人公の悲痛な叫びが聞こえてきそうな歌詞です。

主人公と君は、たとえ互いに想い合っていたとしても、会いたいときに会えるわけではありません。

守りたいのに、守れない。

もどかしくて、自分がどうしようもなく無力な人間に思えた日もあったでしょう。

君のことを世界中の誰よりも愛する自信がある。

でも、それを君に伝えることはできません。

君を悲しませたくない。

君を傷付けたくない。

そんな想いが主人公を臆病にしているのでしょう。

そして、それが何よりも君を愛している証拠になるのだから皮肉ですね。

君の心の真横にいたい

主人公の願いはただ1つ。

君の心の真横にいたい。

初めから報われない恋だと分かっているからこそ、君の中に残り続ける存在でいたかったのでしょうね。

どうか忘れないで

僕に見せるその笑顔
あぁ もう誰にも見せないでおくれ
そんな風に想うほど
あぁ ただあなたが 愛しくて…
だから
あなたの心の真横に居るのは
いつでも僕であってほしい
会いたいと願いながら眼を閉じれば まぶたの裏
あなたの笑顔…今夜も心の中で会える

出典: そばにいれるなら…/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎

君の笑顔が大好きなのに、その笑顔を自分だけのものにすることはできない。

それを思うたび、主人公の胸には切なさと君への愛しさが募っていきます。

君とともに未来を歩めないことは分かっている。

だからこそ、自分の存在を君の心の一番近くに置いてほしい。

それがこの報われない恋心に対して出した、主人公の答えなのでしょう。

いつか君と会えなくなる日がきたとしても、僕のことをどうか忘れないで。

主人公が願うのは、たったそれだけです。

君の笑顔を独占することはできない。

でも目を閉じれば、いつでもすぐ傍に君を感じられる。

主人公の君に対する想いの深さに、胸を打たれる歌詞ですね。

君を想い続ける

あなたの心の真横に居るのは
いつでも僕であってほしい
他の誰かじゃ埋められない場所
僕は ちゃんと持ってるから
君をいつも想ってるから

出典: そばにいれるなら…/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎

主人公にとっての君が唯一無二の存在であるように、君にとっての主人公もまた唯一無二の存在でした。

君には彼がいる。

けれど、その彼にも埋められない君の心の隙間を、主人公だけが埋めてあげられます。

主人公と君との恋がハッピーエンドを迎えることは、きっとこの先もありません。

それでも、君を想い続けることはできます。

いつかまた、別の誰かと恋に落ちたとしても、主人公が君を忘れることは絶対にないでしょう。

主人公の存在は永遠に君の心の真横にあり続けます。

最後に