人気アニメの主題歌に多数使用される声の魅力
やなぎなぎを形作ったもの
幼い頃に出会った電子オルガンをきっかけに楽器に興味を持ち、中学生にしてDTMソフトを使用して曲作りをしていたやなぎなぎ。
2006年からはweb上で、アマチュアながらも音楽活動を開始して、数多くのオリジナル曲を精力的に制作していました。
「ガゼル」という名義で、2008年までニコニコ動画への投稿もしていて、当時制作されたCDにも歌い手の1人として参加していたようです。
そしてその後、supercellのゲストボーカルとして招かれた時には、「nagi」という名義になっていました。
名を変え、品を変えても、彼女の魅力には多くの人が取り憑かれ、2012年にはようやくソロでのメジャーデビューを果たしています。
作品の魅力を最大限に引き出す才能
やなぎなぎの武器は、何と言ってもその美しく儚い、しかし時に力強く前向きな歌声です。
また、自作の楽曲のほとんどの歌詞は自ら手掛け、作曲や編曲にも参加する、マルチな才能を持つアーティスト。
そして何より、自分が関わるアニメなどの作品の世界観をきちんと理解し、その魅力を余すところなく引き出す才能が高く評価されています。
彼女の音楽のルーツとしては、影響を受けたり好きになったアーティストがそうだったということからか、エレクトロニカだと言われていますが、バンド音楽やポップスも聴く、広い受け皿を持っています。
それらの経験や、もともと持っていた豊かな感性が、彼女の音楽性をどんどんと高めていったのだと言えるのではないでしょうか。
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』のOP曲に
人気作品の背景
大人気アニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』の主題歌として使用されたのが、今回紹介する「春擬き」です。
この原作ライトノベルは、小学館「ガガガ文庫」から刊行されている、渡航氏による、いわゆる「残念系ラブコメ」というジャンルのもの。
ハーレムものが目立つライトノベルの中では異彩を放ち、宝島社が主催している「このライトノベルがすごい!」でも2014年、2015年、2016年と連続で作品部門での受賞を獲得、殿堂入りを果たしています。
さらに、好きなキャラクター部門でも1位を独占し、2015年時点では史上初の快挙となる、作品部門2連覇と4冠の同時達成を成し遂げています。
当然のように第2期までアニメ化し、2017年12月現在では、原作文庫は12巻まで発売中です。
もちろんコミカライズもされていますよ。
原作のフィナーレが近いということですので、第3期のアニメ化というのもあり得ない話ではありませんから、再びやなぎなぎの歌声がこの作品を彩ってくれることを願います。
「春擬き」の読み方
アニメ第1期でもOP曲を担当
そして、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』の主題歌である「春擬き」ですが、これは「はるもどき」と読みます。
2015年にやなぎなぎの10枚目のシングル曲としてリリースされました。
基本的に「〜もどき」という言葉は、漢字にしないのが一般的です。
また、「もどき」の類語としては、「偽物」や「贋物」、「紛い物」や「模作」、「レプリカ」といったものがあります。
これでだいたいイメージがわかりましたね。
まぁ、ここで言う「春擬き」は、「春のようであって、そうではない」ということなのでしょう。
「青春ラブコメはまちがっている」らしいので。

印象的な歌詞
レプリカはいらないと歌う
それでは、ここから歌詞を見ていきましょう。
捜しに行くんだ そこへ
出典: https://twitter.com/izanamu1376/status/611205442870480896