サビでは、波打ち際で揺れる「ボク」の切ない恋心が歌われています。
「キミ」への「ボク」の気持ちは、一体どれだけ大きなものなのでしょう。
ちょっとやそっとでは消えないキミへの気持ち
「ボク」は、気になるあの子に声もかけられないシャイな人物です。
そうであっても、彼女に対する気持ちはかなり強いといえそうです。
引用歌詞2行目にあるように、「冷たい水」にだって負けません。
彼自身が負けずにいようと思っているというよりは、それは自覚のない想いなのかもしれません。
自分で思っている以上に、「キミ」への気持ちは大きいということなのでしょう。
夏の浜辺で出会った彼女に、彼はそれほどまでに心を奪われてしまったのです。
冷たい仕打ちにも負けない
引用歌詞2行目にある「冷たい水」とは、具体的に次のようことを指すと考えられます。
まず思い付くのは、他人からの冷やかしではないでしょうか。
知人や友人などから、恋心について馬鹿にされたとも考えられます。
あるいは、気になる「キミ」自身からの、素っ気ない態度だともいえないでしょうか。
好きだという気持ちを伝えられない彼を、彼女が冷たくあしらったのです。
いずれにせよ、それらの冷たい仕打ちにも、「ボク」の気持ちが負けることはないようです。
頭を冷やせと冷水を浴びせられても、「キミ」への気持ちは胸の中で燻り続けているのでしょう。
キミはボクを見てくれないのかな
「キミ」への気持ちで熱くなった心は、水をかけられたくらいでは冷やせそうにもありません。
それにも関わらず、「ボク」にはやっぱり、彼女に近付く勇気がないようです。
切ない夕暮れ時
真夏の夕暮れ オレンジに染まったキミは
ボクの知らない 誰かに誘われて
ディナーにでも行くのかな
出典: ワイキキロンリーボーイ/作詞:EIGO(ONEly Inc.)・Dai Hirai 作曲:Dai Hirai
こちらのパートは、ハワイでの夕暮れを思わせる、南国気質の平井さんらしい表現から始まります。
「キミ」に対する強い想いを持っていても、「ボク」は未だに煮え切らない気持ちを持て余しています。
引用歌詞2~3行目には、彼の心の内が見て取れるでしょう。
自分が誘う勇気はないくせに、誰かがそうするのではと不安を抱えています。
もしかしたら、彼女は「ボク」に誘ってほしいということはないでしょうか。
この楽曲の中ではそのことについて触れられていませんが、その可能性がないとも言い切れないでしょう。
それでも「ボク」には、そう考えられるだけの心の余裕すら見当たりません。
誘いたい気持ちはポケットから溢れるくらいに
汚れたデニムのポケットに叶わぬ夢
沢山詰め込んで 今夜もまた一人
ウクレレでも弾こうかな
出典: ワイキキロンリーボーイ/作詞:EIGO(ONEly Inc.)・Dai Hirai 作曲:Dai Hirai
こちらはここまでとは少し違い、抽象的な歌詞が見られるパートともいえるでしょう。
引用歌詞1行目にあるように、「ボク」はデニムのポケットに何やらいろいろ押し込んでいる様子です。
それはもしかしたら、車の鍵かもしれません。
ドライブに出掛けるための車はあるのに、「ボク」には誘う勇気がないのです。
あるいはもっと大胆に、自分の家(部屋)の鍵でもいいでしょう。
「うちで夕食でもどう?」なんて、とてもじゃないけど言えそうにありません。
彼がポケットに押し込んだものについては、こういうアイデアもあると思います。
それは、彼の手です。
「キミ」にそっと手を差し出すことさえできず、ポケットに入れてしまうというのはどうでしょう。
いずれにしても彼のポケットは、そういう「出せなかった勇気」でいっぱいなのです。
引用歌詞3行目を見ると、もしかしてこの一連の物語は平井さんの実体験なのでは?と勘繰ってしまいます。
単に「ウクレレ」というワードがそうさせているだけではありますが、実際のところはどうなのでしょう…。
ただ星空に歌うだけ
夜空にキミへの想い
歌にして 星に願い込めて
届いてるかな? 届いちゃいない
宛先のない下手っぴなラブレター
出典: ワイキキロンリーボーイ/作詞:EIGO(ONEly Inc.)・Dai Hirai 作曲:Dai Hirai
彼女に思いを伝えられない「ボク」ことロンリーボーイは、言えない気持ちを集めて歌にします。
ただ星に向かい歌うしかできないところが、聴く側としては歯痒くもあり、可愛らしくも感じられます。
星降る夜に彼女を想って歌う
星を相手に「キミ」への想いを歌うだなんて、彼にはセンチメンタルな一面もあるといえそうです。
もしかしたら、そうさせてしまうだけの力が、ハワイの夜空にはあるのかもしれません。
ウクレレ弾いて恋心を歌うのは、何だか少し女々しい感じもします。
その音色がしかし、「ボク」の心にあるモヤモヤを晴らしてくれるのかもしれません。
ウクレレを弾き語る彼の隣に座って耳を傾けたくなるような、ほっこりとした場面でもあるでしょう。