「ミカヅキ」は2017年3月1日にリリースされた5thシングルで、フジテレビアニメノイタミナ枠「クズの本懐」エンディングテーマとして起用された楽曲です。

太陽系を抜け出して 平行線で交わろう
そんな叶わない望みも 不甲斐ない思いも引き連れて
感情全部流しきったら 描き始めて見せるよ
私と君の影に今手を伸ばす ああ 平行線

出典: https://twitter.com/alicelyrics_bot/status/910949389824229376

「クズの本懐」は報われない恋をする高校生同士のヒロイン安楽岡 花火と粟屋 麦がお互いの寂しさを埋めるために疑似恋愛をする中で、成長していくストーリーです。

そんなストーリーに特に沿っているのが引用部分の歌詞です。

ヒロインの花火の立場から、ずっと好きだったのに、平行線で太陽系の惑星同士のように最後まで交わることがなかった初恋の相手への「叶わない望み」や「不甲斐ない思い」を全て消化しきったら、今度は疑似恋愛などではなく、きちんと「君」、つまり、麦と恋愛をしてみたいということを歌っています。

しかし、それもまた「平行線」に終わるのかもしれないという切ない思いが歌われています。

花火と麦は、最初こそお互いに別の好きな人がいましたが、本当は結ばれるべき二人なんだということが作中でほのめかされています。

しかし、お互いのために別れを選んだ二人。

「クズの本懐」と合わせて楽しみたい一曲です。

「それは小さな光のような」

君は僕の胸に刻まれた
一番深い傷跡のようで
君が笑うこの世界の歌
取り戻すよ

出典: https://twitter.com/sanketusayuri/status/911433376313204736

「それは小さな光のような」2016年2月24日に発売された2ndシングルです。

過去の殺人事件から、自分の周りの人々を救うために何度もタイムリープする主人公を描いた、アニメ「僕だけがいない街」のエンディングテーマとして起用されました。

「君は僕胸に刻まれた 一番深い傷跡」という歌詞は、ヒロインの雛月 加代のことを指しているのでしょう。

作品の世界観を見事に表現した歌詞を作れるさユりの才能が伺えます。

アノニマス

「アノニマス」は2016年12月7日にリリースされた4thシングル「フラレガイガール」のカップリング曲です。

スマホ向けアプリゲーム「消滅都市」の主題歌としても話題になりました。

曲名になっている「アノニマス」(anonymous)とは、匿名のという意味です。

アノニマス
言いたいことがあるなら姿を見せてよ
アノニマス
画面上なんかじゃなく 声を上げて

出典: https://twitter.com/saYuri0607_bot/status/808706195229810688

引用部分の歌詞は、ネット上で言葉が行き来する世の中で、本当に言いたいことがあるなら顔を合わせて相手に言うべきだという歌詞です。

「酸欠少女」というキャッチコピーが世間に知られ始めているさユりらしい、現代の「酸欠」のように言葉も発せず苦しんでいる「酸欠世代」の現代の若者の言葉を代弁するような歌詞ですね。

「birthday song」

アルバム「ミカヅキの航海」の発売前に先行配信された「birthday song」はさユりが10代最後に作った曲ともいわれています。

そんな「birthday song」は迷い、後悔しながら進んできたさユりが出した、一つの答えだと以前インタビューで本人が語っていました。

選ばれたかった誰かと
それでも続いてく世界で今日も
居場所をずっと探している
死にたい と 生きたい
の間で何度も何度も迷いながら

生まれてきた命には
せめて愛を、愛 を
いつか優しくなれるように
いつか優しい朝が来るように

出典: https://twitter.com/saYuri0607_bot/status/872467009899970560

選ばれなかった命を弔うこともできずに今日も私は白々しくも生きて歌っていると歌うこの歌詞には、自分よりもこの世には生きるべき人がいたのではないかという、自分が生きていること自体に対する罪悪感が表れています。

しかし、失われた命は戻らない世界でも、せめて生まれることができた人たちにはせめて愛が与えられるようにと祈っているのです。

生きていれば、いつか誰かに優しくできる日が来るということが、さユりが出した一つの結論であり、自分が生きていていいという理由だったのではないでしょうか。