すべての日々が大切
サンボマスターのスタンスを再確認する
今まで僕は心に映ったモノを 心から歌ってんだぜ
本当さ 本当さ
愛しき日々は いずれは消えちまうだろう
だったら尚の事 あなたと話すべきなのさ
出典: 全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ/作詞:山口隆 作曲:山口隆
山口隆とサンボマスターのスタンスをもう一度歌い直して表明します。
自分が見たものを素直にリスナーに届けてきたと歌うのです。
実際に彼らのこのスタンスはこれ以降も変わりません。
あくまでも一貫したスタイルに徹して今日まで歌を紡いできました。
僕が見た様々な光景はいつかなくなってしまうものです。
もちろん私たちが目にしている日常の細々とした光景だっていつかは変わってしまうでしょう。
いずれ消え入るものを山口隆は大切なものと考えています。
その切なさをすべて伝えきることこそ僕の使命だと請け負うのです。
ひとつまたひとつと消えてゆくものたち。
私たちがその都度、愛情を注いでいたものにしてもいつか消えてなくなるのでしょう。
しかしそうした細々としたものを愛おしく思っていた記憶までは消えません。
かつての愛の証のようなものを歌の中で残してゆくと山口隆は決意するのです。
世界にあったものすべてを歌う
今が光でも明日が闇ならば 僕はどちらの日々も要らぬさ
それでもあなたがウソだと言うなら
君と僕の ずっと消えないモノ すぐに消えるモノ
光と影の歌を唄うのさ
出典: 全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ/作詞:山口隆 作曲:山口隆
僕は消え入るものも、残ってゆくものも等分に愛する力があります。
どちらも重要なものであるからこそ、変わらない扱いで歌に変えるというのです。
消え入るものは持続する力がなかったという背景があります。
しかしその力の弱さのようなものだって僕は大切な価値を見出すのです。
また君との間では消えないものだってあります。
僕は君、つまりリスナーに対して変わらない愛を誓っているのでしょう。
この愛はサンボマスターという本体がなくなった未来でも存在し続けるのではないでしょうか。
歌詞に込めた思いというのは作品として誰かの心にとどまり続けるからです。
そうなると僕はこの世界に存在したすべてのものを歌おうという野望を持っていることになります。
まさしくこの曲のタイトルそのままの思いを山口隆は歌詞にしていたのです。
喜怒哀楽を歌いきる意味
今夜朝日が昇るまで 全ての朝が白むまで
鳴らせ鳴らせ愛の言葉を タンバリン タンバリン
ケチな運命のこの僕と ケチな欲望を持つ君さ
鳴らせ鳴らせ愛しき日々を タンバリン タンバリン
出典: 全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ/作詞:山口隆 作曲:山口隆
ここからクライマックスまでサビが怒涛のごとく続きます。
山口隆の本旨は一貫したものです。
ただ微妙に歌詞を変えていますので気を付けて読んでください。
僕は自分のことを小さな存在だと思い込んでいます。
そのために僕は消え入るようなものであっても自分のこととして愛せたのでしょう。
また僕は君、つまりリスナーについても小さな野望しか持たないといいます。
それでも思い思いに自分の心を鳴らしきることの大切さを歌うのです。
誰にだって鳴らせる楽器というイメージがあるタンバリン。
特に楽器を鳴らすという心構えのようなものがなくても響かせることができます。
小学校で習った経験をカラオケルームに備え付けられたタンバリンで鳴らしてみてください。
日々の喜怒哀楽を好きなように響かせることで生きていることを実感することができるはずです。
もうすぐクライマックスの歌詞になります。
最後に 永遠に響く希望の歌
サンボマスターは変わらない
共に白髪の生えるまで
あなたが全て終わるまで
悲しみずっとなくなるまで ケチなアイツを許すまで
唄え唄え悲しみの過去 タンバリン タンバリン
まぶしく見えたその世界が いつかは君のモノになるかも
鳴らせ鳴らせ心の闇を タンバリン タンバリン
出典: 全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ/作詞:山口隆 作曲:山口隆
これこそがクライマックスの歌詞になります。
サンボマスターと山口隆の強い意志が覗ける内容になっているのです。
山口隆はリスナーとともにずっと歌い続ける意志を表明します。
リスナーとともに一緒に時代を超えてゆく意志を明確にするのです。
確かに彼らはこの曲の後も勇気をくれる歌を届けてくれています。
後から結果を見てみると彼らの努力が一貫したものであることに気付けるのです。
おそらくこの先も彼らのスタンスは変わらないままでしょう。
「全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ」という思いのままに歌を届けて鳴らすはずです。
サンボマスターの持続性というものが私たちにとって心強い味方であり続けます。