時代を超えてもなお歌われ続ける名曲
銀座の恋の物語は、1961年に発売されました。
この楽曲は、石原裕次郎さんと牧村旬子さんのデュエット曲です。
歌謡曲として年配の方に愛されている楽曲ですが、どんな人にもぜひ聴いてほしい1曲。
その理由は、歌詞とデュエットならではのハーモニーが鳥肌が立つほど感動するからです。
この感動は人によって違うかもしれません。
ですが、今では少なくなったレコードの切ない音など、今にはないよさが詰まっています。
レコード音源で聴くことはできると思うので、これを機にぜひ聴いてみてほしいです。
それではここから、時代を超えて愛される楽曲の魅力を読み解きましょう。
始まりはある街で
この楽曲の舞台はタイトル通り「銀座」です。
イントロから哀愁が漂う歌謡曲ならではの深みを感じます。
レコードの音源として残っているので、音のクリアさはありません。
ですがそのこもった感じが、この楽曲の切なさをよく伝えています。
また、2人とも聴き惚れてしまうほどの歌唱力です。
低さと高さのバランスが良く、2人の魅力が引き出されています。
歌詞を読み進めていくと、一目惚れから始まるようです。
2人が出会ったことで巻き起こる物語りとは一体どのようなものなのでしょうか。
詳しくみていきましょう。
胸が苦しくなるほど…
(女)心の底まで しびれるような
(男)吐息が切ない 囁きだから
出典: 銀座の恋の物語/作詞:大高ひさを 作曲:鏑木創
まるで雷に打たれたような恋。
よく使われる表現ですが、この楽曲にはピッタリです。
この部分の歌詞は、一目惚れをしてしまったあとの男女の心情になります。
「切ない」とは、胸が苦しくなるほどのような意味を持つ言葉です。
出会ってすぐ切なくなるのには、理由がありました。
恋い焦がれているという表現が1番近いと思います。
切なくなるほど好き。
このような意味から、切ないという言葉が使われているのでしょう。
ですが、それだけの理由ではなさそうです。
そのほかの理由は、このあとの歌詞から読み取れます。
嬉しさが募り…
(女)泪が思わず 湧いてきて
(男)泣きたくなるのさ この俺も
出典: 銀座の恋の物語/作詞:大高ひさを 作曲:鏑木創
この歌詞部分では、出会えたことに感激している様子を感じます。
(女)やっと出会えたわね。
(男)こんな素敵な方との出会いは奇跡なのではないか。
そして、男だって感動して泣くんだよ。
と言っているように聴こえます。
それほど、この出会いに運命を感じた2人。
このあとの展開は、どのようになっていくのでしょうか。
美しいハーモニーと…
この部分は、石原裕次郎さんと牧村旬子さんのハモリが美しい場面です。
そしてこの歌詞部分では男女の気持ちを確認できます。
一目惚れをした2人ですが、この出会いは2人にとって忘れられないものになりました。
その様子がわかる部分だと思います。
舞台は煌びやかな大人の街で
(二人)東京で一つ
銀座で一つ
出典: 銀座の恋の物語/作詞:大高ひさを 作曲:鏑木創
この曲の舞台「銀座」は、東京の中でも大人な街です。
セレブが集う街で、夜には煌びやかな光が灯ります。
いつでも明るく、輝いている印象の銀座。
その光も、2人をスポットライトのように照らしてくれているようです。
この男女は2人の世界に入り込んで抜け出せなくなっているのでしょう。
お互いに見つめ合い、その瞳には他の人や物は映らない。
キラキラしているのは、銀座の煌びやかさのせいじゃないはず。
この2人には、そのように見えているように感じます。