Mr.Children「安らげる場所」
今回ご紹介するのはMr.Childrenの「安らげる場所」です。
ピアノの美しい旋律と、ストリングスによって奏でられるクラシカルなサウンド。
その歌詞では秋という季節を題材に、ある2人の恋模様が描かれているのです。
別れを意味する言葉はないのに、そこはかとなく切なさが漂っています。
その歌詞が意味する世界観は一体どのような物なのでしょうか。
「安らげる場所」とは
夕暮れの街の中
十月の夕暮れが寂しげに街を映す
僕はただそれを見ているだけ 君を想って
出典: 安らげる場所/作詞:KAZUTOSHI SAKURAI 作曲:KAZUTOSHI SAKURAI
10月というのは木の葉の色が紅く染まり始め、美味しい食べ物も実り始める季節です。
しかし長い夏が終わり、街にはどこか熱狂の後のような寂しさを感じる。
秋の夕暮れは、とても綺麗な染まり方をします。
どこかノスタルジックな気配のするオレンジに染まる街並みと、赤や黄色に染まり始めた街路樹。
街にはコートを着始めた人たちが季節の変化を教えてくれます。
そんな中で、この歌詞の主人公が立ち尽くしている様子が目に浮かびます。
涼しくなってきた街の中で、温もりを探している彼。
しかし、そこには隣にいるはずの大切な人がいません。
夕暮れの街の中に、その存在を探しているのでしょうか。
ただ風景を傍観している主人公。
恋人の温もり
何処からか愛しさが胸に込み上げたなら
セーターなど着てなくても そっと温もる
出典: 安らげる場所/作詞:KAZUTOSHI SAKURAI 作曲:KAZUTOSHI SAKURAI
前述のパートにおける「君」というのは、彼にとっての恋人なのでしょう。
彼女のことを想うことで、彼の胸に温もりが宿っていることがこのパートの歌詞からわかります。
肌寒くなってきた秋という季節の中、風も強く、夏場のような薄着ではもう寒い。
しかし、彼はセーターを着る必要がないほど、身体が温まっています。
恋人の存在が彼の心を温めてくれているから、彼が寒さを感じることはないのです。
夕暮れの街の中で、彼はずっと恋人のことを想っています。
たとえ会えなくても、主人公は彼女のことを考えるだけで幸せになれるのでしょう。
過去と未来
過去の別れ
僕はなぜ繰り返す別れを受け入れてきたんだろう?
その謎が君と出会い ちょっと解けた
出典: 安らげる場所/作詞:KAZUTOSHI SAKURAI 作曲:KAZUTOSHI SAKURAI
今までに出会い、そして別れた人々。
人生というのは、出会いと別れの連続だといいます。
その中でも特にここで彼が思い出しているのは過去の恋人たちのことかもしれません。
「今度こそは」と思いながらも、結局上手く行かずに別れを繰り返してきた。
同じような別れの繰り返しを、彼はどこか他人事のようになんとなく受け入れてきたのでしょう。
それは彼が、以前の恋人たちを本当に大切な人だと思えなかったからなのかもしれません。
そんな風に別れを簡単に納得できる自分自身に疑問を覚えていたけれど、理由は分からなかった。
しかし今の恋人と出会ったことで、その理由が分かったのです。
それは今、彼を支えるその恋人が、彼にとっての本当に信頼できる相手だからなのでしょう。
大切であるということがどういうことか、彼女の存在が彼に気づかせてくれた。
この歌詞パートは、そういった意味を表しているように感じられます。
未来への希望
孤独とゆう暗い海に ひとつの灯台を築こう
出典: 安らげる場所/作詞:KAZUTOSHI SAKURAI 作曲:KAZUTOSHI SAKURAI