気にしても仕方がない?
だってそう 自分がとてもかわいいから
あのコンビニのお姉ちゃんだってそうさ
清楚に見えて 実は腹黒かも
僕はどう思われてる?
出典: 僕への挑戦状/作詞:岸洋佑 作曲:岸洋佑
4行目にはさきほどと同じ問いかけが登場していますね。
冒頭では深刻そうに見えましたが、ここではどこか開き直っているような雰囲気すら漂っています。
結局本当のところなんて、周りの人には分からないもの。
誰もが「実は○○」な部分のひとつやふたつ持っているでしょう。
そう考えると、自分が周りにどんな印象を持たれているか、気にするだけ無駄かもしれません。
楽しそうに仲間たちとセッションし始める映像を観ていると、余計そんなことが浮かんできました。
歌詞とリンクする岸洋佑の経歴
なんて他人(ひと)のことばっか 考えて
大事なもの 失って
あの頃よりも小さくなった僕はこう思うんだ
出典: 僕への挑戦状/作詞:岸洋佑 作曲:岸洋佑
自分が他人にどう見えているか気にするということは、同じように自分も他人のことを意識しているということ。
「優しい人に見えてるかな?」「嫌われてないかな?」
自分のことを気にしているようでいて、同時に他人に対して「こういう人」という判断を下しているのです。
少し前の"僕"はそんな風に周りを気にして生きていたのかもしれません。
"大事なもの"とは夢でしょうか?
ここで筆者が思い浮かんだのは、岸の経歴です。
2010年、LDH主催のオーディション「VOCAL BATTLE AUDITION 2」に参加しファイナリストとなるも落選。
2011年、作曲家のマシコタツロウプロデュースのもと、音楽活動を開始する。
2014年、所属していたLDHを辞め、就職しサラリーマンとなる。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/岸洋佑
歌手になるという夢がほぼ手の中に入っていたにも関わらず、叶わなかったのです。
そんな岸にとって大きな転機となったのが2017年です。
2017年2月、特撮テレビドラマ『宇宙戦隊キュウレンジャー』にて初めてテレビドラマにレギュラー出演する。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/岸洋佑
この作品のスティンガー役で彼を知ったという人がほとんどだと思います。
歌手デビューの話を耳にした際少しびっくりしましたが、もともとは彼は歌手を志していたんですね。
さて、歌詞に戻りましょう。
夢を一度失った主人公は、何を思ったのでしょうか。
いまの"僕"が伝えたいこととは
唄いたい唄を唄って
歩きたい道を歩く
僕が僕に宛てた 僕への挑戦状
たとえ息もできないほど
苦しいことがあっても
他の誰のせいでもない
だから胸を張ったっていいよね
出典: 僕への挑戦状/作詞:岸洋佑 作曲:岸洋佑
一時期は夢を諦めかけた岸が歌うことで、余計に胸に響く内容です。
この歌詞をとても楽しそうに歌っている、というのがひとつのポイントかもしれません。
ここまでの道のりは、全部自分が選んできた選択の結果。
責任は全部自分にある。
つらかったことも、これから待っている楽しいことも、すべてが"僕"なのです。
それらを分かったうえで「歌うのが楽しい!」と全身で表現しています。
彼の音楽への想いがストレートに伝わってくるサビといえますね。
「僕への挑戦状」の意味を考える
過去と未来の自分へ宛てたメッセージ
歌詞をご紹介したところで、「僕への挑戦状」というタイトルについて少し深掘りしてみたいと思います。
遠回りをしたものの、やっと歌手としてメジャーデビューを果たした岸洋佑。
彼にとってこの楽曲は、過去に夢を諦めようと苦しんだ自分へのメッセージなのかもしれません。
それと同時に、いつまでも初心を忘れないでいよう。
そんな想いも込められているような気がします。