鎧について、さらに次のような説明もしています。
「鎧というのは普段の服飾やメイクであり、そういった鎧を脱ごうとか装着しようということを言いたいのではなく、そういう鎧が存在するということを言いたい」
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/This_Armor
しかし鎧は強固な仮面でもあり、弱い自分を守る防具の役割を果たします。
素顔を隠す意味では化粧も同じです。
本人のコメントが必ずしも全てを表現しているとは限りません。
意識的であれ無意識であれ、鎧という言葉を選んだのは自分を守る気持ちがどこかにあったのでしょう。
楽曲の中では心の鎧を捨てて自分の感情を剥き出しにする彼女。
だからこそ彼女は、普段の弱い自分を守っているその鎧というものをタイトルに選んだのかもしれません。
そこに作為は無いにしても、言葉にできない想いを込めようとしたことは間違いがないでしょう。
「Infection」と「流星群」
アルバムに収録された「ROLLIN’」「茨の海」「Our Song」「流星群」そして「Infection」。
これらがドラマかCMのテーマ曲になっています。
全8曲のうち5曲は多いですね。
当時、レコード会社がいかに彼女を強力にプロモートしていたか分かります。
「infection」で『爆破して飛び散った心の破片』が、この「流星群」で星になって降って来る
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/流星群
「Infection」で否定した自分を認めて前に進もうという意思が込められています。
なお、シングル「Infection」のカップリング曲「LITTLE BEAT RIFLE」はピアノソロの別バージョンです。
「Infection」を聴いた後には是非、「流星群」を聴いてその物語の続きを感じてみてはいかがでしょうか。
まとめ
個人的にも「Infection」は好きな曲です。
歌詞の内容は暗く救いがないけど、人の心の内にある一面を鋭く描き出しています。
認めたくはないでしょうが、それもまた自分の一部であると教えてくれます。
この曲が発表された当時、鬼束ちひろはまだ21歳でした。
感性豊かな才能あるアーティストは若いうちに完成された作品を生み出すことがあります。
しかし純粋ゆえに傷つき易い。
「This Armor」のリリース後、数年を経ずして低迷期を迎えました。
メンヘラーといわれ、たまにテレビ出演した姿は痛々しかったです。
しかし最近は以前のような歌唱力も戻り、着実に新曲をリリースしてくれるのでほっとしています。
最後に彼女が影響を受けたというアーティストのうち2人の女性シンガーソングライターを紹介します。
カナダのアマンダ・マーシャルとアメリカのトーリ・エイモスです。
鬼束ちひろの楽曲に潜む二面性を知る手掛かりになるかもしれません。
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