場面は戻り、再びあの彼女が出てきます。
そこには冒頭の場面でも出てきた「僕がCDを出したら」を手にしてベランダで佇む彼女の姿。
何やら切なそうに、昔を思い返しているようなそんな表情です。
一体彼女はどんな過去を思い返しているのでしょう。
2人はすれ違い、別れを決断した
場面は切り替わり彼女と谷口が喫茶店にて向かい合って座っている場面に。
谷口の伸ばした手が彼女の手に触れようとした瞬間に彼女は手を引いてしまいます。
その後、2人とも何やら思い詰めた表情で目を合わせることすらできていません。
この場面が流れている時の曲の歌詞がこちら。
もしもやり直せたならと 何度も考えたんだけど
僕はやっぱりギターを弾いてばかりで
結局何も変わらないんだろうなぁ
出典: 眠れぬ森の君のため/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
場面の状況と歌詞から2人の別れの場面だったことがわかります。
夢である音楽を追うこと、現実の彼女との生活のこと。この2つの間で谷口は迷ったのでしょう。
結果谷口は音楽を選んだ、いや音楽しか選べなかったのかもしれません。
「〜だろうなぁ」と、どこか自分でも諦めているように感じられます。
彼女もまた夢と現実の間で揺れて、谷口に自分との生活のことを考えて欲しいとお願いしたのです。
にもかかわらず、音楽のことばかり気にしている谷口に彼女は愛想を尽かし2人は別れを選んだ。
彼女はそんな別れのことをCDを目にしたことで思い返していたのです。
今も残る2人の想い出の跡
CDプレイヤーに貼ってあるステッカー
別れた2人の想い出の跡は今もなお残っています。
ベランダから戻り、洗濯物を畳む彼女。そんな彼女の部屋には捨てたと言っていたCDプレイヤーが。
しかもそのCDプレイヤーにはKANA-BOONのステッカーが貼ってあります。
やはりあの違和感は間違っていなかったようです。
今の彼の前でどうしても聴きたくなかった為に嘘をついたのでしょう。
歌詞を口ずさむ彼女
洗濯物を畳みながら彼女はこの曲を口ずさみます。
吸ったことない煙草、こっそり口にくわえてさ
あの日の夜の僕の真似をして
出典: 眠れぬ森の君のため/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
その後、歌詞の通りベランダにて煙草を吸っている彼女が写ります。
洗濯物を畳み終わった彼女はCDプレイヤーの電源を切るのですが、それと同時にこの曲も停止。
彼女は洗濯物を取り込んだ後にこの曲を聴きながら煙草を吸って谷口に思いを馳せていたのでしょうか。
そんな彼女はCDプレイヤーの電源を切った後、どこかへ出かけていきます。
場面は再び会場へ
曲の世界観と現実の世界観が入り混じっている
場面はライブ会場へと変わり、それと同時に曲も再開します。
注目して欲しいのがここからのサビが生歌音源だということ。
僕がステージに立ったら 君は少し離れたとこにいて
ばれないように下を向きながら半べそをかくのさ
照明が照らす度、君の涙が光るから ばれてるよ
出典: 眠れぬ森の君のため/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
この部分のみレコーディングされた音源ではなく生歌の音源となっています。
そしてその会場には彼女の姿が。しかしそこにいる彼女は下も向いていないし半べそもかいてません。
前述した通り谷口の過去の実体験を元にした曲をMV化したならこれは少し変です。
本当なら彼女が下を向いて半べそをかいている場面を撮るはず。
ですがこれにも訳があります。その訳とは曲の世界観と現実が入り混じっているということ。
曲通りにするなら彼女は下を向いて半べそをかいているのが正解。
ですがこのMVで彼女を演じている岸井ゆきのという人物は谷口の元恋人ではありません。
KANA-BOONにゆかりのある女優が大きく成長を遂げた彼らのステージを観ているだけ。
曲の中に出てくる2人と現実の2人が入り混じっているのです。
この部分だけ生歌なのはその間は現実の谷口と岸井を描いているから。
これがこの場面で彼女が泣いていない理由となります。