5000回を5000日と捉えてみます。

そうすると約14年の歳月ということが分かります。

10年という歌詞とも共通するこれらの数字。

これは、赤い女の子が生きていれば14歳頃だったのでしょう。

家族への質問や親からの質問。

現実では普遍的なものも、ここでは悪夢に置き換わるのです。

ここから分かるように2人の間柄は円満とはいえません。

2人には一体何があったのでしょうか。

母との出会いを待ちわびていた娘

パパが言うには明日隕石が降って
世界が瞬く間に終わりを迎える
僕はちょっとだけ期待してみた
アダムの言いなりはお終い
もう千年前から待っていたわ
Welcome to the メルティランド

出典: メルティランドナイトメア/作詞:はるまきごはん 作曲:はるまきごはん

世界が終わるとは娘の夢の世界の終わりのことです。

娘が夢の世界に留まり続けているのは、何かやりきれない想いがあるから。

娘も夢の世界が心地いい訳ではなく、終わりを期待しています。

1000年前と形容すらできるような長い時間の果て

それでも世界は終わることは無く、ようやくこの母との出会いの日を迎えたのです。

親子の壮絶な過去

お互いの心は傷まみれ

疑ってしまうような
とびきりのディナータイム
溶けあってしまいそうだ
君と僕のナイトメア
名前すら 夢ん中
触れ合うのはガラスハートだけ

出典: メルティランドナイトメア/作詞:はるまきごはん 作曲:はるまきごはん

2人にとって悪夢となっているこの夢の世界。

互いに傷んで今にも割れそうな心がぶつかり合います。

そこには愛情が足りなかったことへの不満や死へのやるせない思い。

このようなことを考えていくと、娘の死の正体が浮かび上がってきます。

生まれてすぐに亡くなった、あるいは流産と捉えていいと思います。

母にとって娘の死はどうすることも出来なかったのです。

始めの歌詞にあったように先が分かっていた未来だといえます。

娘にとっても親に愛されることなく現実を旅立ったことにネガティブな感情。

誰も責めることは出来ない中で、誰もが自分を責めていたのです。

もう何一つと叶いやしない

正常なグッドモーニング
人生のハッピーエンディング
僕達は何ひとつ叶わないのなら
疑ってしまうような
とびきりのディナータイム
一生だけ忘れないでよね

出典: メルティランドナイトメア/作詞:はるまきごはん 作曲:はるまきごはん

人生を一生と形容すれば、それは長い年月を指します。

そんな「一生」に対して、「だけ」という言葉をつける。

それは半ば呪いのように、母に対しての想い。

「ずっと永遠に私のことを忘れないでいて」といっているのです。

会えなくとも心はずっとあなたを想う

孤独な女の子

ぎゅっとしてしまいそうな
イノセンスなロンリーガール
泣きたいほど純情だ
あとちょっとのナイトメア
時間すら 止まっても
片方だけワガママ言うの

出典: メルティランドナイトメア/作詞:はるまきごはん 作曲:はるまきごはん

イノセンスとは「無罪」や「潔白」といった意味を表します。

ロンリーとは「孤独」や「寂しい」の意。

ここでは娘とお母さんの2人を指しているのではないでしょうか。

互いに無罪であり、心では孤独な女の子なのです。

もう夢も終わりが近づいています。

お別れはすぐそこ