呼吸することも忘れていた主人公は、気持ちを落ち着かせようとします。

そのとき、何かがこぼれ落ちました。

日本語詞では名言されていませんが、英語詞によるとのようです。

亡骸となった人物は、主人公に近しい間柄だったのではないでしょうか。

大切な人の変わり果てた姿を目の当たりにして、涙がこぼれます。

降り注ぐ雨

清々しい太陽が
雨音ザラリグラリ混ざって

The bright and refreshing sunlight
Mixes itself round and round along with the sound of the rain

出典: DOZING GREEN/作詞:京 作曲:DIR EN GREY

目の前の光景とは裏腹に、その場には穏やかな日光が降り注いでいました。

そこに、音を立てて雨が降り始めます。

主人公の気持ちを表すような、激しい雨だったのでしょう。

和の響きを感じさせる、特徴的な擬音語で表現されています。

胸が張り裂けるほどの慟哭

裂けた胸踊らせ 空しさに問う
白い声 漏れる息 In The Sun

My torn out heart let it dance now
I question the emptiness
The white voices
Leaking of my breath
In The Sun

出典: DOZING GREEN/作詞:京 作曲:DIR EN GREY

主人公は胸が張り裂けるような悲しみを抱えているのでしょう。

その感情を、虚空へとぶつけます。

問いかけた内容はわかりませんが、「なぜ」という疑問だったのではないでしょうか。

なぜ近しい人が亡くならなければいけなかったのか、という叫びです。

そんな状況に追いやった周囲や、助けられなかった自分への怒りも混ざっているかもしれません。

主人公の慟哭は、やがて嗚咽に変わります。

何事もないかのように、日光は穏やかに場面を照らしているのです。

永遠の別れ

ここから、亡くなった人物のことが「」と表現されています。

間奏に重ねられた多彩なボーカルも、この曲の聴きどころの1つです。

救われなかった信仰

淫らに開けた傷口
無と消え成る、Dogmaの風
溶け出す君の心臓

The obscene exposure
of the wound
Becomes nothing like
the dogma's own wind
You're now melting
Your heart is melting

出典: DOZING GREEN/作詞:京 作曲:DIR EN GREY

一般的に「ドグマ」とは宗教上の教えや教義のことをいいます。

亡くなった人物は、宗教を信仰していたようです。

MVの中にも、踏み絵を示唆するシーンが出てきます。

教えを守っていれば、命を落としても復活すると信じたまま亡くなったのでしょう。

主人公も、そう信じていたのかもしれません。

しかし、結果は残酷なものでした。

命を落とす原因となった傷は、大きく口を広げたまま塞がることはありません。

肉体は土へと還り始めています。

亡くなった人間が再び生き返ることはないのです。

別れの言葉

薄暗い朝、響くサヨナラ。

In the dark morning
I hear you whisper sayonara

出典: DOZING GREEN/作詞:京 作曲:DIR EN GREY

日本語詞では、別れを告げたのが誰なのかが曖昧です。

しかし英語詞を見ると、これは君からの別れの言葉だったとわかります。

ここでは場面が夜明けとなっているようです。

亡骸の前で慟哭していたときは、日中でした。

主人公は半日以上も亡骸を見つめていたのでしょう。

そして、どれだけ待っても君が生き返ることはないと理解せざるをえませんでした。

受け入れた主人公に、永遠の別れを告げるささやきが聞こえます。

残された者の孤独