秦基博さんの新境地
「Raspberry Lover」(ラズベリー ラバー)は、秦基博の23枚目のシングル。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/Raspberry_Lover
「Rasberry Lover」は2019年11月にリリースされました。
CD発売に先立ってMVが公開されると、赤を基調にしたビビットな映像が話題になりました。
そして、その歌詞の内容も注目されており、秦基博さんにとっての「新境地」といわれてもいます。
今回は、その歌詞の意味について解説していきます。
1番
彼女はシンデレラ
さも 彼女だけが童話の中にいるように
どれだけ近くにいても この手は届きはしないのに
出典: Raspberry Lover/作詞:秦基博 作曲:秦基博
この部分のポイントは「童話」というキーワード。
彼女は「シンデレラ」と見間違えるくらいの超絶美少女であることを示唆しています。
「非現実的」とさえいえるような彼女の美しさを端的に表現している言葉が「童話」なのです。
そしてまた、「童話」という言葉からは主人公と彼女の関係性も見えてきます。どういうことか?
たいていの場合、人は童話の中の人物に話しかけることはしません。
仮に話しかけたとしても、童話の中の人物はけっして返事をしません。
つまり「自分からは話しかけられないし、相手から話しかけられることもない」という関係。
しかし、毎日眺めてしまうような、そんな距離感なのです。
舞台は中学?高校?大学?…おそらく主人公は学生だと思われます。
社会人の場合「同僚」でここまで距離が近いこともなかなかないからです。
逆に、社会人でここまで距離が近い関係の場合「手が届かない」ということも少ないのではないでしょうか。
同じ教室にいるクラスメイト、しかしそこまで親しい関係ではない。
そんな状況が目に浮かんできます。
彼女はクラスの中でアイドル的な存在。
主人公にとっては「高嶺の花」なのでしょう。
間違っていない、けど…
その木苺色 纏った唇に
それでも 触れたいと願う 僕は間違ってるのかな
出典: Raspberry Lover/作詞:秦基博 作曲:秦基博
主人公は彼女を見つめ続けます。
歌詞では唇について書いていますが、きっと髪や目、鼻、輪郭とあらゆるところに注目していることでしょう。
「木苺色」というと、鮮やかな朱色、もしくはオレンジに近いような色。
いずれにしても、艶のあるみずみずしい唇がイメージできます。
すでに諦めつつ「自分の彼女にしたい」と望みを失わない主人公。
想いを寄せること自体に正しいも間違いもないはずですが、何故彼はそこで躊躇しているのでしょうか?
それは主人公が内気で臆病だから、ということではなさそうです。
なぜ、僕の彼女にならないのか
今 彼のことを見つめる横顔に
一切 入り込む余地なんてありそうにもないけど
出典: Raspberry Lover/作詞:秦基博 作曲:秦基博
そう、彼女には付き合っている彼がいるのです。
もしかしたら、恋をしている彼女だからこそ、より一層美しく見えるのかもしれません。
恋は女性を美しくするともいいますから…。
彼をうっとりとした目で見つめる彼女、それを見つめる主人公。
見事な三角関係といえるかもしれませんが、残念ながら主人公の一人負けです。
きっと、「彼から奪い取る」なんてことも考えられないほど、彼と彼女の関係は固いのでしょう。
それでも、好きになること自体は止められません。
主人公のモヤモヤとした葛藤が伝わってきます。
悲しきピエロ
なら 友達の輪で道化を演じる僕に
一瞬 目配せして 微笑んだ あれはなんだったの
出典: Raspberry Lover/作詞:秦基博 作曲:秦基博