「Because…feat.中村舞子」という曲
2008年に、ヒップホップユニットLGYankees(現LGY)と当時19歳の中村舞子のコラボによって誕生した楽曲です。
アルバム収録曲であったのにも関わらず、着うたダウンロード数が100万件を超える大ヒットを記録しました。
このような結果が出たのは、LGYankees独特のメッセージ性の強い歌詞にあるのではないでしょうか。
また、中村舞子の19歳とは思えないダイナミック、かつどこかはかない歌声による見事な感情表現によるものでもあります。
同世代のリスナーの多くが自分の人生観に刺さる歌詞、感情が素直に溢れ出してしまう歌声やサウンドに惹かれました。
「曲を構成するすべての要素に心惹かれる」のが特徴の一曲。
今回はそんな『Because…feat.中村舞子』の歌詞の意味について掘り下げていきたいと思います。
感情揺さぶる「究極のラブソング」
多くの方に支持され続ける『Because…feat.中村舞子』。
この楽曲を聴いたリスナーは、感情を大きく揺り動かされてしまいます。
「この曲を聴くといつも泣いてしまう」「歌詞の言葉ひとつひとつを聴いて涙してしまう」
「大切な人に会いたい」「恋人をもっと愛したい」
一聴しただけでここまで感じさせる曲はまさに「究極のラブソング」といえます。
このように多くの方の感情を大きく揺さぶる歌詞とは一体どのようなものなのでしょうか。紐解いていきます。
作詞の背景
『Because…feat.中村舞子』の作詞は、LGYankeesのメンバーであるNo.2(ナンバーツー)さんが手掛けました。
実は、この作詞の背景にあるのが、No.2さんの「大切な人を失ってしまった過去」なのです。
自身のブログでも曲の歌詞が実体験を元にしていることを明かしています。
音楽の世界で進んでいくことにためらっていたNo.2さんの背中を押してくれた女性。
色々なことが重なって、恋人であった彼女を失ってしまったそうです。
No.2さん自身やグループの活動を支え、励ましてくれた彼女を失くしてしまった事実は、計り知れないほど辛く悲しいはずです。
しかしこの経験をしたからこそ、想像ではない「恋人を失うこと」の感情をダイレクトに歌詞へ込められたのだと思います。
だからこそ恋人の存在や愛というものについてリスナーは共感し、心を動かされる楽曲になったのではないでしょうか。
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イントロの「ブレーキ音」に象徴されるのは・・・
世間では、恋人を交通事故で失ってしまったことを表現しているといわれています。
No.2さんが「交通事故であること」に言及している情報は特にありません。
しかしこれが本当だとすれば、恋人が交通事故に遭ったことを示すものとして、ブレーキ音が使用されているといえます。
ブレーキ音に象徴される一瞬の出来事が運命さえもを変えてしまう、そんな切ない想いが込められているように感じました。
歌詞の意味
それでは、具体的な歌詞の内容について掘り下げていきましょう。
「サビ」のフレーズに込められた意味
この曲のサビとなるのが以下のフレーズです。
あなたに伝えたい想いは 声にならない言葉は
形を変えて 零れ落ちる涙
イヤだよって言えなくて いつものように抱きしめて
お願い… もう一度好きって言って
出典: Because…feat.中村舞子/作詞:DJ No.2 作曲:LGYankees
前述したように、この曲は恋人を失ったことが題材となっています。
自分の恋人が「もう会えない人」になってしまったことで、相手への想いはもう「言葉」にできなくなりました。
「涙」というかたちでしか表すことができなくなったのです。
つまり相手への想いがどれだけ強くても、どのようなものであってももう届けることはできないという現実を知りました。
「イヤ」と言うことさえ許されない現実に、恋人を失ってしまったことが嘘ではないのだと思い知らされます。
また、後半には「もう一度好きと言って」と願いを歌っています。
これは、伝えられないのと同時に相手からの言葉をもらうこともできない状態を意味していると受け取れます。
大切な人を失った現実を前に、想いを伝え合えた日々がどれだけ尊いものだったのかを痛感させられるフレーズです。
また、曲中に「冒頭」「1番のサビ」「Cメロ」と、違うタイミングで3度登場しているこのフレーズ。
1番、2番、Cメロとそれぞれの内容を考えると、それぞれのセクションに合った解釈ができる描き方をしています。
前後の歌詞を聴き、曲のストーリー展開と感情の揺れ動きに着目しながら、サビ部分を意識的に聴いてみてくださいね。